公開日:2024年5月7日
コンタクトレンズを装用すると目が痛い!?原因と対処法を紹介
コンタクトレンズの装用時に目に痛みを感じることはありませんか。もしかすると日頃行っているコンタクトレンズの装用・ケア・保存の方法が間違っているかもしれません。目が痛くなる原因や適切な対処法などを紹介します。コンタクトレンズの使い方に不備がないか、振り返ってみましょう。
コンタクトレンズ装用時に目が痛くなる原因
コンタクトレンズ装用時に目が痛くなる原因はいくつか考えられます。コンタクトレンズの問題と目の問題に分けて、代表的なものをまとめました。
コンタクトレンズ自体・使用方法に問題がある場合
目の痛みが引き起こされているのは、使用方法が不適切で、コンタクトレンズ自体に問題が生じているせいかもしれません。コンタクトレンズのキズ・欠け・変形などが目の痛みにつながっている可能性があります。例示した中で当てはまるものがないかチェックしましょう。
■つけ方・使い方に問題がある
手を洗わずにコンタクトレンズを扱うと、雑菌が付着する恐れがあります。そのまま使用し続けた場合、コンタクトレンズやレンズケースで雑菌が繁殖して眼病やそれに伴う目の痛みにつながりかねません。また睡眠時にはずさなければいけない「終日装用タイプ」は、つけたまま寝るのもNGです。連続装用が可能なタイプであっても、眼科医の指導にもとづいて正しく使用する必要があります。
定められた使用期間(開封後に、安全に使える期間)と使用期限(未開封・開封後にかかわらず、安全に使える期限)を守れていない可能性もあるでしょう。使用期間・使用期限を越えると、コンタクトレンズの性能が落ちてきて汚れが付着しやすくなったり、酸素透過率が低くなったりします。
■コンタクトレンズが合っていない
コンタクトレンズが自分の目に合っていない可能性も考えられます。合っていないコンタクトレンズの装用は、近視が進みやすくなったり疲れやすくなったりするだけでなく、体全体の不調につながるリスクがあります。
インターネット上で眼科医の診断なしに自己判断で度数を上げたコンタクトレンズを購入したり、種類を変更したりすることも同様のリスクがあります。
また、コンタクトレンズの貸し借りは、仮に未使用でも絶対にしてはいけません。他人が使用したコンタクトレンズの装用には眼病やそれに伴う目の痛みにつながるリスクが生じます。
■ケアが不十分
コンタクトレンズのケア不足も、目の痛みにつながる原因の代表例です。使用後のコンタクトレンズにはカルシウム・タンパク質・油脂などの汚れが付着しています。汚れが付着したままで装用し続けると、目のトラブルにつながったり、コンタクトレンズ自体にダメージを与えたりする可能性があります。
■ケアが不適切
適切な用品を使い、正しくケアすることも重要です。たとえばソフトコンタクトレンズを水道水で洗浄・保存すると、アカントアメーバが付着する可能性があります。アカントアメーバが角膜上皮のキズから侵入してアカントアメーバ角膜炎に感染すると、視力障害が残るかもしれません。最悪の場合は失明する可能性もあります。水道水での保存はせず、専用の洗浄液・保存液を使用しましょう。
また、使用済の保存液を再使用したり、つぎ足して使用したりすることもやめましょう。
■保存方法に問題がある
保存状態も振り返ってみましょう。コンタクトレンズは、直射日光や凍結を避けて室温で保存するのが基本です。
ソフトコンタクトレンズの場合、先述の感染症のリスクだけでなく含水率が変化する点でも、水道水を使用しての洗浄・保存を避けなければなりません。
ハードコンタクトレンズも水道水につけて保存すると塩素で表面が変化するなどコンタクトレンズにとって良い状態ではありませんので、保存の際は必ず専用の保存液を使用しましょう。
なお長期使用タイプのレンズ(ソフト・ハードともに)を長期間保存する場合は、外したあとの洗浄・消毒に加え、1カ月に1回は保存液を入れ替える必要があります。
目に問題がある場合
痛みの原因が目にある場合もあります。代表的なものは下記の通りです。
■目が疲れている
スマホやパソコンを使い過ぎていないでしょうか。近くを長時間見続けると、ピントを調整する筋肉「毛様体筋」に負担がかかります。毛様体筋の酷使が目の痛みにつながっているのかもしれません。
■目が乾燥している(ドライアイ)
目の乾燥(ドライアイ)が原因で痛みを感じている可能性にも配慮が必要です。目の表面には痛みを感じる神経が密集しています。さまざまな理由によって目の表面に涙が広がりにくくなると、痛み・熱感・異物感などの症状につながる恐れがあります。
■目にキズがついている
目にキズがついている可能性もあります。たとえば角膜にキズがついた状態は、規定を越えた長時間の装用や、目と相性が悪いケア用品の使用が代表的な原因です。装用時間が長過ぎたり汚れが落とし切れていなかったりすることが、角膜上皮のキズや上皮細胞の剥がれといった目のトラブルにつながって痛みを生じさせている可能性もあります。
■目が日焼けをしている
肌と同様に、紫外線によって目も日焼けをします。目が日焼けをすると、痛み・充血・かゆみ・見えづらさなどにつながる可能性があります。
■目の病気にかかっている
先述した原因によって、眼病が進行して目の痛みが引き起こされている場合もあります。痛みを伴う眼病として、角膜感染症や角膜上皮障害などが考えられます。
コンタクトレンズを装用すると目が痛くなるときの対処法
目に痛みを感じたときの代表的な対処法を以下にまとめました。参考にして目の痛みをケアしましょう。
眼科を受診する
目に痛みがある場合はコンタクトレンズの装用をすぐに中止し、眼科を受診しましょう。目の病気にかかっている場合には、眼科での治療が必要です。またコンタクトレンズについたキズや汚れは肉眼では確認しにくいです。目のコンディションも日々変わっています。今の自分に適切なコンタクトレンズへ交換するためにも、定期的に眼科を受診して検査を受けましょう。
コンタクトレンズを正しく使用する
眼科医の指導にもとづいてコンタクトレンズを正しく使用することは、目の痛みを引き起こさない事前対策といえるでしょう。まずは使用期間・使用期限を守ってください。コンタクトレンズだけでなく、ケア用品の使用期限にも気をつけましょう。コンタクトレンズもケア用品も、取扱説明書や外箱などに使用期限が記載してあります。ケア用品をまとめ買いした場合などは、期限を確認した上で、期限内で早めに使い切るようにしましょう。
自分でできる目のケアをする
コンタクトレンズの使用にかかわらず、目のセルフケアをすることも意識してみてください。目に疲れを感じるときは、目の周りをマッサージしたり、ホットタオルで温めたりしてケアしてみましょう。目を閉じてまぶたの上からシャワーを数分間当てて目の周りを温めるのもおすすめです。
空気が乾燥している場合は、加湿器などを利用して、部屋の湿度を保ちましょう。濡れたタオルを置いておくだけでも効果的です。目薬をさしたり、まばたきの回数を意識的に増やしたりして目の乾燥を防ぐのもいいでしょう。またコンタクトレンズの装用中に乾燥を感じる場合は、装用時間を短くするのも効果的です。
環境面でいえば、部屋の明るさを調整することも重要です。モニターは、設定や角度を変えるほか、専用フィルターを使って明るさを調整する方法もあります。外からの光がモニターに反射している場合は、ブラインドで遮光するのもいいでしょう。
紫外線(日焼け)対策も行ってみてください。帽子や日傘で目を守る方法が手軽かもしれません。つばの広い帽子や大きな日傘を使えば、紫外線が目に直接入ることを防げます。サングラスやUVカット加工のメガネをかけるのも効果的でしょう。コンタクトレンズ自体にUVカット加工が施されているものもあるので検討してみてはいかがでしょうか。
コンタクトレンズ初心者は慣れるまで1週間程度は異物感がある
コンタクトレンズをつけ始めたばかりの頃には、ある程度の異物感があります。技術が発達して装用感がよくなってはいるものの、コンタクトレンズは目にとって異物です。個人差はありますが、1週間前後で快適に装用できるようになります。眼科医の指導にもとづいて、初日からの長時間装用を避けつつ、5日~1週間ほどかけて徐々に装用時間を延ばしていきましょう。
なおハードコンタクトレンズに比べて、ソフトコンタクトレンズは異物感が少なく慣れやすいといわれています。1DAYの使い捨てタイプであれば、ケアに不慣れな人でも清潔に使いやすいので初心者におすすめです。
まとめ
コンタクトレンズを装用したときの「目の痛み」について原因や対策などを紹介しました。日々の正しいケアや目をいたわる工夫などで、目のトラブルは事前対策や回避が可能です。眼科医の指導にもとづいて、取扱説明書などを確認しながらコンタクトレンズを正しく使用するようにしてください。
すでに不調を感じている場合は、無理せず眼科医に相談しましょう。自覚症状がなくても目やコンタクトレンズの状態は日々変わっています。目の健康を守るために、定期検査を受けて目やコンタクトレンズの状態を確認するようにしましょう。