目が頻繁に乾く!
ドライアイのセルフチェックと
コンタクトレンズの選び方
目が疲れやすい、乾燥を感じるといった場合は、ドライアイの可能性があります。ドライアイは、コンタクトレンズを装用している方にみられることが多い症状です。ドライアイの予防を心がけつつ、ドライアイが起こりにくいコンタクトレンズを装用しましょう。この記事では、ドライアイのセルフチェックやコンタクトレンズの選び方などについて解説します。
ドライアイのセルフチェック
ドライアイになると、乾燥や疲れやすいといった症状の他にも様々な症状が現れる場合があります。次のような症状が現れた場合は、ドライアイの可能性があるため一度眼科を受診した方がいいでしょう。
- 目が疲れやすい
- 目が乾燥する
- 異物感がある
- 目がショボショボする
- 目が重い
- 特に心あたりがないのに涙が出る
- 目がかゆい
- 光を見るとまぶしさを感じる
- 目が赤い
- 目がかすむ
- 目やにが出る
- 目の不快感
- コンタクトレンズを装用すると目が痛い
- 朝に目が開けられない
- 目が熱く感じる
- 目を10秒以上開けられない
なお上記のような症状はドライアイ以外でも起こることがあります。そのため自己判断でドライアイ用の点眼薬を使用したりせずに眼科の診察を受けることが大切です。
ドライアイのメカニズム
ドライアイは目の表面にうるおいを与えている涙が目全体に広がりにくくなることで起こります。通常の状態では目の表面全体が涙でうるおっていますが、様々な原因によって涙が広がりにくくなると、目の表面の細胞が傷ついてしまうのです。目の表面には痛みを感じる神経が密集しているため、細胞が傷つくと乾燥を感じるようになります。涙は、次のような原因で広がりにくくなります。
- 涙液の異常
- まばたきが少ない
- しっかりまばたきできていない
- コンタクトレンズを装用している
- エアコンなどで空気が乾燥している
- 夜ふかしなどでストレスが溜まっている
- パソコン作業などによるまばたきの減少
このようにドライアイになる原因は様々であるため、1つずつ正しく対処していくことが大切です。
ドライアイの予防法
ドライアイを防ぐためには、涙が広がりやすい状態を保つ必要があります。次のような方法でドライアイを防ぎましょう。
適度に目を休める
パソコンやスマホの使用、読書などをしていると、気づかないうちに目に負担がかかります。こまめに休憩して目を休めるようにしましょう。またコンタクトレンズの装用時間を短くするといった工夫も大切です。
目に優しい環境を整える
エアコンをかけると空気が乾燥しがちです。加湿器などを利用して部屋の湿度を保ちましょう。濡れタオルなどを部屋の様々なところに置くことも効果的です。またエアコンの風が直接目に当たらないようにしましょう。
モニターを目に優しい角度や明るさに調整する
パソコンのモニターは、目よりも下に配置しましょう。また目が疲れにくい適度な明るさに調整してください。モニターに反射した光で目に悪影響が及ぶこともあるため、照明や太陽光が反射しないところに置きましょう。また目を緊張させて文字を見る必要がないように文字の大きさを調整してください。
まばたきを意識する
パソコンや細かい手作業、読書などに集中すると、無意識のうちにまばたきの回数が減ります。目をしっかり閉じるまばたきを意識して、目を乾燥させないようにしましょう。
まぶたをマッサージする
まぶたに蒸しタオルなどをのせ数分間温めましょう。その後、指でマッサージすると涙が目全体に行き渡りやすくなります。ただし目は敏感であるため、眼科医に相談したうえで正しい方法でマッサージをしましょう。
目薬で目のうるおいを保つ
乾燥しているところに行く場合は、目薬を携帯しましょう。人工涙液などの目薬で問題ありませんが、効果がない場合は眼科を受診して適切な点眼薬を処方してもらうことをおすすめします。
ドライアイの状態が続くと、目の表面の細胞が傷つくため、症状が現れたら早めに眼科を受診しましょう。適切な治療を受けることで、ドライアイの症状が悪化することを防げます。
コンタクトレンズとドライアイの関係
コンタクトレンズを装用すると、ドライアイの症状が現れる場合があります。中でも乾燥感を訴える方が多くみられます。次いで多いのが不快感で、かゆみ、ざらつき、まぶしさ、ひりひり感、痛みの順に少なくなっていきます。
ソフトコンタクトレンズも原因に
ソフトコンタクトレンズには水分がたっぷりと含まれており、着け始めは快適です。しかし時間が経つにつれて水分が蒸発し、コンタクトレンズが乾燥します。さらに涙がコンタクトレンズに吸収されて、蒸発することもあるのです。そのため夕方にもなると多くの方が乾燥感に悩まされます。コンタクトレンズの上から差せる点眼薬を携帯し、目の乾燥を抑えることが大切です。
ドライアイの症状が現れているにもかかわらずコンタクトレンズの装用を続けると、黒目にスマイルマークが現れる場合があります。スマイルマークとは、ドライアイが原因で黒目についた傷のことで、笑った口に似ていることから名づけられました。スマイルマークが現れた場合、眼科で治療を受ける他、ドライアイ用の点眼薬の使用や意識的なまばたき、乾燥対策などが必要です。
ドライアイを抑えるためのコンタクトレンズの選び方
ドライアイを抑えるためのコンタクトレンズは、「水分蒸発の少なさ」と「水分とのなじみやすさ」で選びましょう。水分とコンタクトレンズがなじみやすいと、涙が目全体に広がりやすくなります。ソフトコンタクトレンズに使用されるシリコーンハイドロゲルは、含まれる水分量が少なく、取り込んだ水分を放出しにくくなっています。そのためコンタクトレンズ装用時の乾燥を感じにくく、目のうるおいを長く保てるのです。
コンタクトレンズをこまめにケアすることもドライアイ対策に必要です。コンタクトレンズが汚れていると表面が乾燥しやすくなります。ソフトコンタクトレンズの場合は、専用の洗浄液でコンタクトレンズの表裏をそれぞれ20~30回こすり洗いしましょう。
まとめ
ドライアイになると乾燥だけではなく痛みや熱感、まぶしさ、異物感など様々な症状が現れます。エアコンによる乾燥やまばたき不足、ストレス、コンタクトレンズの装用などがドライアイのリスクを高めます。意識的にまばたきをする他、目に負担がかかりにくいパソコン環境を整えたり、まぶたをマッサージしたりしましょう。
コンタクトレンズを装用する場合は、「水分蒸発の少なさ」と「水分とのなじみやすさ」が優れたものを選ぶことが大切です。ドライアイは、黒目の傷の原因になるため、症状が現れた場合は速やかに眼科を受診しましょう。