公開日:2025年10月10日
コンタクトレンズが取れない!ハード・ソフト別の取り方や目の奥に入った・破片が残ったときの対応方法を解説
コンタクトレンズが取れずに困ったことはありませんか?コンタクトレンズを無理やりはずそうとすると、目をキズつける可能性があるため、落ち着いて対応することが大切です。張りついた・目の奥に入った・破片が残ったなど、状況に応じたコンタクトレンズの正しい取り方をチェックしましょう。
ソフトコンタクトレンズが取れないときの対応方法
早速、コンタクトレンズが取れないときの対応方法を確認していきましょう。ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズに分けてまとめました。慌てずに、以下を確認しながら取ってみてください。
ソフトコンタクトレンズが目から離れない場合
うまく目から離れない場合、コンタクトレンズの乾燥が原因の場合があります。乾燥したコンタクトレンズが角膜(黒目の部分)に張りついて、はずれにくくなっている可能性があります。角膜がキズつく恐れがあるため、無理やり取ろうとしないでください。
まずは、コンタクトレンズと目を目薬などで潤します。コンタクトレンズが動くようになったら、角膜をキズつけないようにゆっくり取ってみましょう。
関連記事>>
コンタクトレンズ装用中に点眼しない方がいい目薬がある!? 市販品の正しい選び方や使い方を紹介
目の奥に入って取れなくなった場合
コンタクトレンズが目の上部に張りついたり、ずれて奥の方に入ったりした経験がある人がいるかもしれません。このような場合に無理やりコンタクトレンズを取ろうとすると、目がキズつく恐れがあります。慌てずに目の中のコンタクトレンズを探し、自力で取れないときは、眼科医に相談してコンタクトレンズを取ってもらうようにしましょう。
コンタクトレンズがずれてしまったとき、目の裏に入ったのではと心配する方も少なくありません。
実際は目の構造上、コンタクトレンズは眼球の裏に入らないようになっています。上のイラストのように、まぶたの裏は袋状になっており、コンタクトレンズが目の裏にまでは到達しない構造になっているのです。そのため「まぶたの内側の袋状の部分(上図のコンタクトレンズのある水色の層)に、コンタクトレンズが入ることはある」が正しい表現といえるでしょう。
ソフトコンタクトレンズの取り方
ソフトコンタクトレンズは、正しい手順で安全に取ることが大切です。以下の手順に沿って行いましょう。
■ソフトコンタクトレンズの取り方
(1)せっけんで手をしっかり洗い、指先の水気を拭き取ります。
(2)顎を引きながら上目遣いで鏡を見て、コンタクトレンズの位置を確かめましょう。
(3)下まぶたを中指で軽く引き下げます。
(4)(3)と同じ手の親指と人さし指の腹を使って、コンタクトレンズの下の端を軽くつまんで取ります。
コンタクトレンズがつまみにくいときは、人さし指でコンタクトレンズを下へずらすと取りやすくなります。
※動画で確認する場合はこちらから※
ハードコンタクトレンズが取れないときの対処方法
つづいて、ハードコンタクトレンズが取れないときの対処法をチェックしましょう。
ハードコンタクトレンズが目から離れない場合
まずは、ゆっくりと深くまばたきをしましょう。涙によってコンタクトレンズが潤い、取れやすくなります。
目薬をさすのも効果的です。それでも取れない場合は、スポイトを使用する方法があります。スポイトは、ハードコンタクトレンズがずれたときや取れにくいときに、吸盤でくっつけて目から取るための道具です。
メニコンが販売する「SPスポイト」の使用方法は、以下のとおりです。
■SPスポイトの使い方
(1)親指と人さし指を使ってスポイトの「緑色の部分」を持ちます。
(2)鏡を見ながらコンタクトレンズの位置をチェックしましょう。
(3)コンタクトレンズの中央部にスポイトの先端を軽く押し当てます。
(4)スポイトが吸着した状態で、コンタクトレンズを下方向にそっとずらすようにしてコンタクトレンズを取ってみてください。
※動画で確認する場合はこちらから※
スポイトを使えば、まぶたを何度も触らずにコンタクトレンズを取れます。
また、取りはずしの際にコンタクトレンズを落としにくい、化粧品などによる汚れがつきにくいので、コンタクトレンズ自体を清潔に保ちやすくなるなどのメリットもあります。
ハードコンタクトレンズが白目にずれてしまった場合
ハードコンタクトレンズが白目にずれてしまった場合は、コンタクトレンズがずれている方向とは反対に目を動かして位置を確認します。その後、ずれている側のまぶたに指を当てながら目を元の位置に戻せば、ずれを直せます。
ただし目に張りついてずれが直らない場合、コンタクトレンズを無理に取ろうとすると目がキズつく恐れがあります。ずれがなかなか直らないときは、眼科医に相談してコンタクトレンズを取ってもらいましょう。
※動画で確認する場合はこちらから※
ハードコンタクトレンズが割れた・破片が取れない場合
レンズケースに収納するときに縁が当たったり、洗浄中に局所的な力が加わったりすると、コンタクトレンズの欠けや亀裂につながる場合があります。
強い衝撃によってコンタクトレンズが装用中に割れてしまったり、破片が残ったりした場合は、無理をせず眼科で取り除いてもらいましょう。
ハードコンタクトレンズの取り方
ハードコンタクトレンズの取り方は2パターンあります。ご自身がやりやすい方を選択しましょう。
■ ハードコンタクトレンズの取り方①
(1)せっけんで手をしっかり洗い、指先の水気を拭き取ります。
(2)鏡を見ながら大きく目を開けて、コンタクトレンズの位置を確かめましょう。
(3)コンタクトレンズを取る目と同じ側の手の人さし指を使って、目尻を押さえます。
(4)コンタクトレンズより大きく目を開いた状態で、耳側の斜め上方向へ目尻を引っ張りながらゆっくりまばたきをすると取れます。
(5)取れて落ちるコンタクトレンズをもう一方の手のひらで受け止めましょう。
コンタクトレンズが取れにくいとき、目尻が下がっている人は、上まぶたをやや上げながら耳側上方もしくは真横へ引っ張るようにしてみましょう。目尻の上がっている人は、できるだけ黒目に近いところから、指を立てて目尻を引っ張るようにしてみてください。
※動画で確認する場合はこちらから※
■ ハードコンタクトレンズの取り方②
(1)せっけんで手をしっかり洗い、指先の水気を拭き取ります。
(2)鏡を見ながら、コンタクトレンズを取る目の上下のまぶたに両手の人さし指を添えます。
(3)下側の人さし指で下まぶたを軽く押さえ、コンタクトレンズが下方に下がらないように固定しましょう。
(4)コンタクトレンズの縁を上まぶたの先端で引っ掛けて取ります。
※動画で確認する場合はこちらから※
コンタクトレンズを取るときの注意点・NG行為
コンタクトレンズを取るときは、まぶたやまつ毛の化粧品がコンタクトレンズにつかないようにしましょう。また、目尻やまぶたなどを押さえるときは、爪や指先が目に直接触れないように注意してください。コンタクトレンズを取るときのそのほかのNG行為もまとめてみました。一度チェックしておきましょう。
お風呂に入って潤して取るのはNG
蒸気で満たされているので、お風呂に入れば目が潤ってコンタクトレンズが取れやすくなると思っている人がいるかもしれません。シャンプーやせっけんなどが目に入ったり、お風呂の雑菌により汚染したりする可能性があるため、コンタクトレンズは入浴前に取ることを心掛けましょう。
濡れた手で取るのはNG
目を潤そうと、コンタクトレンズを濡れた手で取るのもNGです。濡れた手では滑ってしまい、逆にコンタクトレンズが取りにくくなります。しっかりと手の水気を拭いてからコンタクトレンズを取りましょう。
(爪が長いからと)綿棒で取るのはNG
爪が長く、コンタクトレンズを指で取るのが難しい場合、綿棒を使ってソフトコンタクトレンズを取る方法を見かけたことがある方もいるかもしれません。しかし綿棒を使ってコンタクトレンズを取るのはNGです。綿棒の繊維が目に入ったりコンタクトレンズをキズつけたりする場合があるからです。爪が長い人は、爪を立てず指の腹の部分を使って目やコンタクトレンズをキズつけないようにゆっくりと取りましょう。
ハードコンタクトレンズを使用している場合は「スポイト(ハードコンタクトレンズ用)」など、専用の器具を使うとよいでしょう。
コンタクトレンズが取れにくくなる原因
コンタクトレンズが取れにくくなるにはいくつかの原因があります。代表的な原因をまとめました。当てはまっているものが無いかチェックしてみましょう。
コンタクトレンズや目の乾燥
一口に乾燥と言っても、理由はさまざまです。たとえば、以下のような可能性が考えられます。
■ 涙の量が減る
コンタクトレンズを安定的に目に装着する上で、涙の作用は非常に重要です。1分間に平均15回くらいのまばたきによって、涙液の流入と流出が促され、コンタクトレンズの下にある涙は常に新鮮な状態に保たれています。
涙が減ると、まばたきをしても正常な量を供給できなくなります。すると、コンタクトレンズが張り付きやすくなり、コンタクトレンズが目から取れにくくなるのです。
■ 涙の質が変わる
涙は、油層(油の膜)と液層(水の層)の2層でできています。正常ならば、油層が表面でバリアのように働いて涙の蒸発を防止しています。しかし油の分泌器官が詰まってくると、表面の油層がまだらになって涙の蒸発をうまく防げません。すると目が乾燥し、コンタクトレンズが張りつきやすくなります。
■ コンタクトレンズの装用時間が長い
水分を多く含み、装用直後は快適なソフトコンタクトレンズも、つけている内に水分が蒸発し、だんだん乾いてきます。眼科医に指示された装用時間を守って使用し、長時間つけっぱなしにしないようにしましょう。
■ コンタクトレンズをつけたまま寝てしまった
終日装用タイプのコンタクトレンズをつけたまま寝るのもよくありません。睡眠中はまばたきをしないため、涙液の交換がされずにコンタクトレンズが乾いてしまいます。昼寝や仮眠程度であっても、コンタクトレンズを取りましょう。
加齢によるまぶたの状態の変化
わずかな変化でも、コンタクトレンズが取れにくくなることがあります。その一例が、加齢によってまぶたの筋肉が少し伸びて緩くなってしまう場合です。
目尻を横に引っ張ってハードコンタクトレンズを取っている人は特に要注意です。目が開く幅が変わったりまぶたの力が弱まったりすると、コンタクトレンズが取りにくくなる場合があります。
まとめ
今回はコンタクトレンズが取れなくなる理由や正しい取り方を紹介しました。コンタクトレンズが取れなくなった場合、本記事の内容を参考にしながら焦らずに適切な対応を取るようにしましょう。
目がキズつく恐れがあるため、コンタクトレンズを無理やり取ろうとしないでください。自力では取れない・自分で取ったら危ないと感じた場合はすぐに眼科医に相談しましょう。

