公開日:2023年9月28日
コンタクトレンズが取れない! 張りついたときや目の奥に入ったときの対応方法や外し方を解説
コンタクトレンズが取れずに困った経験はありませんか?
コンタクトレンズを無理やり外そうとすると、目を傷つける可能性があります。張りついた・目の奥に入ったなど、状況に応じたコンタクトレンズの正しい外し方をチェックしておきましょう。
コンタクトレンズが取れないときの対応方法
早速、コンタクトレンズが取れないときの対応方法を確認していきましょう。ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズに分けてまとめました。取れなくても慌てずに、以下を確認しながら外してみてください。
ソフトコンタクトレンズが取れないときの対処方法
■ コンタクトレンズが目から離れない場合
うまく目から離れない場合、コンタクトレンズの乾燥が原因だと考えられます。乾燥したコンタクトレンズが角膜(黒目の部分)に張りついて、簡単に外せなくなっている可能性があるのです。角膜が傷つく恐れがあるため、無理やり外そうとしないでください。まずは、コンタクトレンズと目を目薬などで潤します。コンタクトレンズが動くようになったら、角膜を傷つけないようにゆっくりと外してみましょう。
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■ 目の奥に入って取れなくなった場合
コンタクトレンズが目の上部に張りついた、またはズレて奥の方に入った経験がある人がいるかもしれません。このような場合に無理やりコンタクトレンズを取ろうとすると、目が傷つく恐れがあります。慌てずに目の中のコンタクトレンズを探し、自力で外せないときは、眼科医に相談してコンタクトレンズを取ってもらうようにしましょう。
コンタクトレンズがズレてしまったとき、目の裏に入ったのではと心配される方も少なくないのではないでしょうか。
実は目の構造上、コンタクトレンズは目の裏に入らないようになっています。上のイラストのように、まぶたの裏は袋状になっており、コンタクトレンズが目の裏にまでは到達しない構造になっているのです。そのため「袋状の部分(上図のコンタクトレンズのある水色の涙の層・まぶたの内側にあたる箇所)に、コンタクトレンズが入る場合はある」が正しいといえるでしょう。
ハードコンタクトレンズが取れないときの対処方法
■ コンタクトレンズが目から離れない場合
まずは、ゆっくり深くまばたきをしましょう。コンタクトレンズが涙で外れやすくなります。もしくは目薬などをさしてみてください。それでも外せない場合は、スポイトなどを使用する方法があります。スポイトは、ハードコンタクトレンズがずれたときや外しにくいときに、吸盤でくっつけて目から外す道具です。
メニコンが販売している「SPスポイト」は以下のように使います。
(1)親指と人さし指を使ってスポイトの「緑色の部分」を持つ。
(2)鏡を見ながらコンタクトレンズの位置をチェックする。
(3)コンタクトレンズの中央部にスポイトの先端を軽く押し当てる。
(4)下の方へスポイトを少し引くようにしてコンタクトレンズを外す。
※動画で確認する場合はこちらから※
スポイトを使うと、まぶたを何度も触らなくてもコンタクトレンズを外すことができます。ほかにも外すときにコンタクトレンズが飛んでいかない、化粧品などによる汚れが指につかないなどのメリットがあります。
■ コンタクトレンズが白目にずれてしまった場合
白目のところにずれてしまった場合、レンズがずれている方向と反対の方向に目を動かしてコンタクトレンズをまず確認します。そしてずれている側のまぶたに指を当てながら目を元に戻せば、ずれを直せるでしょう。
ただし目に張りついてずれが直らない場合、コンタクトレンズを無理に外そうとすると目が傷つく恐れがあります。ずれがなかなか直らないときは、眼科医に相談してコンタクトレンズを取ってもらいましょう。
コンタクトレンズはなぜ外れにくくなるのか
コンタクトレンズが外れにくくなるにはいくつかの理由があります。代表的な3つの理由を以下にまとめました。当てはまっているものが無いかチェックしてみましょう。
■ 涙の量が減る
コンタクトレンズを安定的に目に装着する上で、涙の作用は非常に重要です。17~20回/分のまばたきにより、流入と流出を交互に促して交換しながら、コンタクトレンズの下にある涙は新鮮な状態を保たれています。涙が減ると、まばたきをしても正常な量を供給できなくなります。すると、くっつける力のバランスが崩れ、コンタクトレンズが目から外れにくくなるのです。
■ 涙の質が変わる
涙は、油層(油の膜)と液層の2層でできています。正常ならば、油層が表面でバリアのように働いて涙の蒸発を防止しています。しかし油の分泌器官が詰まってくると、表面の油層がまだらになって涙の蒸発をうまく防げません。すると目が乾燥し、コンタクトレンズが張りつきやすくなります。
■ 加齢によるまぶたの状態の変化
少しの変化だけでも、コンタクトレンズが外れにくくなる場合はあります。加齢によってまぶたの筋肉が少し伸びて緩くなってしまうのもその1つです。
目尻を横に引っ張ってハードコンタクトレンズを外している人はとくに要注意です。レンズ大に目を開け、コンタクトレンズを上まぶたで押し出す動作を無意識にやってきているかもしれません。目が開く幅が変わったりまぶたの力が弱まったりすると、コンタクトレンズが外しにくくなる場合があります。
コンタクトレンズの一般的な外し方
取れないときに限らず、コンタクトレンズは正しい方法で外しましょう。
それでは、コンタクトレンズの一般的な外し方も紹介します。ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズに分けて解説しているので、お使いの製品に合わせて実践してみてください。
ソフトコンタクトレンズの外し方
(1)せっけんで手をしっかり洗い、指先の水気を拭き取ります。
(2)顎を引きながら上目遣いで鏡を見て、コンタクトレンズの位置を確かめましょう。
(3)下まぶたを中指で軽く引き下げます。
(4)同じ手の親指と人さし指の腹を使って、コンタクトレンズの下の端を軽くつまんで外します。
コンタクトレンズがつまみにくいときは、人さし指でレンズを下へずらすと取りやすくなります。
※動画で確認する場合はこちらから※
ハードコンタクトレンズの外し方
ハードコンタクトレンズの外し方は2パターンあります。ご自身がやりやすい方を選択しましょう。
■ ハードコンタクトレンズの外し方①
(1)せっけんで手をしっかり洗い、指先の水気を拭き取ります。
(2)鏡を見ながら大きく目を開けて、コンタクトレンズの位置を確かめましょう。
(3)コンタクトレンズを外す目と同じ側の手の人さし指を使って、目尻を押さえます。
(4)コンタクトレンズより大きく目を開いた状態で、耳側の斜め上方向へ目尻を引っ張りながらゆっくりまばたきをすると外れます。
(5)外れて落ちるコンタクトレンズをもう一方の手のひらで受け止めましょう。
コンタクトレンズが外れにくいとき、目尻が下がっている人は、上まぶたをやや上げながら耳側上方もしくは真横へ引っ張るようにしてみましょう。目尻の上がっている人は、できるだけ黒目に近いところから、指を立てて目尻を引っ張るようにしてみてください。
※動画で確認する場合はこちらから※
■ ハードコンタクトレンズの外し方②
(1)せっけんで手をしっかり洗い、指先の水気を拭き取ります。
(2)鏡を見ながら、コンタクトレンズを外す目の上下のまぶたに両手の人さし指を添えます。
(3)下にいかないように、コンタクトレンズを下まぶたで軽く押さえて固定しましょう。
(4)コンタクトレンズの縁を上まぶたの先端で引っ掛けて外します。
※動画で確認する場合はこちらから※
コンタクトレンズを外すときの注意点・NG行為
どのようなコンタクトレンズであっても、まぶたやまつ毛の化粧品がつかないように外す必要があります。また、目尻やまぶたなどを押さえるときは、爪や指先が目に直接触れないように注意してください。コンタクトレンズを外すときのそのほかのNG行為もまとめてみました。一度チェックしておきましょう。
■ 「お風呂に入ったら潤って外れる」は間違い!
蒸気で満たされているので、風呂に入れば目が潤ってコンタクトレンズが外れやすくなると思っている人がいるかもしれません。しかし、入浴・シャワー・サウナなどは逆に目の乾燥につながります。コンタクトレンズは入浴前に外しましょう。
■ 濡れた手で外そうとすると滑る
目を潤そうと、コンタクトレンズを濡れた手で外すのもNGです。濡れた手では滑ってしまい、逆にコンタクトレンズが取りにくくなります。しっかりと手の水気を拭いてからコンタクトレンズを外しましょう。
■ (爪が長いからと)綿棒を使って外そうとしない
爪が長く、コンタクトレンズを指で外すのが心配な人もいるでしょう。しかし綿棒を使ってコンタクトレンズを外すのはおすすめしません。綿棒の繊維が目に入ったりコンタクトレンズを傷つけたりする場合があるからです。爪が長い人は、上述の「スポイト(ハードコンタクトレンズ用)」など、専用の取り外し器具を使うとよいでしょう。
まとめ
今回はコンタクトレンズが取れなくなる理由や正しい外し方を紹介しました。コンタクトレンズが外れなくなった場合、本記事の内容を思い出しながら焦らずに適切な対応を取るようにしましょう。
何度も書いたとおり、目が傷つく恐れがあるため、コンタクトレンズを無理やり外そうとしないでください。自力では外せない・自分で外したら危ないと感じた場合はすぐに眼科医に相談しましょう。