アイフレイルとは?代表的な症状・対策のポイント・セルフチェックリストを紹介 | コンタクトレンズのメニコン

公開日:2025年10月10日

アイフレイルとは?代表的な症状・対策のポイント・セルフチェックリストを紹介

アイフレイルとは?代表的な症状・対策のポイント・セルフチェックリストを紹介

アイフレイルとは、加齢に伴う目の機能低下のことです。視力の低下や目の不調を放っておくと、将来的な生活の質にも影響を及ぼすことがあります。では、このアイフレイルとは具体的にどのような状態を指すのか、チェックしてみましょう。

アイフレイルとは?

アイフレイルとは?

「何となく見えにくい」「最近目が疲れやすい」そのような変化は、アイフレイルによるものかもしれません。

アイフレイルとは加齢による目の機能低下

アイフレイルとは、加齢による目の機能低下のことです。もう少し詳しく説明すると、『加齢に伴って目が衰えてきたうえに、様々な外的ストレスが加わることによって目の機能が低下した状態、また、そのリスクが高い状態』が「アイフレイル」です。

出典:日本眼科啓発会議 「アイフレイル啓発公式サイト」
出典:日本眼科啓発会議 「アイフレイル啓発公式サイト」
https://www.eye-frail.jp/about/

そもそも、フレイルとは「加齢に伴い身体の様々な機能が低下することによって、健康障害に陥りやすい状態」を指す概念です。アイフレイルは「健康な目」と「高度な視機能障害」の中間の状態です。

アイフレイルは、初期には自覚症状がなく、気づかないうちに進行してしまう場合があります。しかし、「見えにくさ」や「目の不快感」として感じるときもあり、放置すると視機能の低下が進み、日常生活に支障をきたすような重度の障害に至る恐れもあります。早めの予防や適切な治療が重要です。進行を遅らせたり、症状を和らげたりできる可能性があります。

出典:日本眼科啓発会議 「アイフレイル啓発公式サイト」
出典:日本眼科啓発会議 「アイフレイル啓発公式サイト」
https://www.eye-frail.jp/

アイフレイルの原因

アイフレイルの主な原因として、加齢によるピント調節力の低下のほか、目の病気の可能性が挙げられます。

■老視(老眼)
「加齢に伴う変化」として代表的なのが老視(老眼)です。年齢とともに目のピントを合わせる力(調節力)が低下し、近くのものが見づらくなる状態を指します。調節力は10歳前後でピークを迎え、その後は年齢とともに弱まっていくため、老視(老眼)は誰にでも起こる自然な変化です。

30代の約76%・40代の約79%に老眼の可能性があるという調査結果もあります(30代〜50代男女3,000名[各年代1,000名]/2022年2月/全国/メニコン自社調査)。

■目の病気
以下に挙げる、年齢的な変化によって起こる目の病気の可能性もあります。

【緑内障】…目と脳をつなぐ視神経が障害され、徐々に視野が欠けていく病気。40歳以上の約20人に1人は緑内障と考えられている
【白内障】…もともと透明な水晶体が加齢によって濁り、透明ではなくなった状態。目がぼやける、かすむなどの症状が出る
【糖尿病網膜症】…糖尿病による高血糖の状態が続いて網膜の血管が弱くなり、小さな出血やむくみが生じる
【加齢黄斑変性】…黄斑部(網膜の中心部分)に出血や網膜剥離が現れる病気。初期ではものがゆがんで見えたり、視野の真ん中が黒ずんで見えたりする

アイフレイルは何歳から?

アイフレイルは40歳頃から意識しましょう。見えにくさに困るのは高齢になってからでも、実際には40〜50歳頃から症状が始まっている場合があるからです。

たとえば失明原因の1位である緑内障の場合、40歳以上の有病率は5%であり、年齢とともに割合が増加し、70歳以上では約10%に達するとされています(n=3,021/2000年~2001年/日本緑内障学会多治見緑内障疫学調査「多治見スタディ」)。

しかし、緑内障と診断されている人の59.1%は診断時には自覚症状が全くなかったとの調査結果もあります(n=13,157/2021年/日本眼科啓発会議が行った全国調査)。また、糖尿病網膜症や加齢黄斑変性などの慢性疾患も、初期には無症状なことが多く、進行しないと気がつきにくいです。そのため、40歳頃から注意が必要です。

アイフレイルの症状は?リストやツールでセルフチェック!

アイフレイルの症状は?リストやツールでセルフチェック!

つづいて、アイフレイルの代表的な症状と、それを確認できるチェックツールを紹介します。ご自身の目の状態も、ぜひ確かめてみてください。

アイフレイルの症状は?チェックリストも紹介

出典:日本眼科啓発会議「40歳以上の人のためのアイフレイルガイド」
出典:日本眼科啓発会議「40歳以上の人のためのアイフレイルガイド」
https://www.eye-frail.jp/wp-content/themes/theme_eyefrail/download/eyefrail_guide_240416.pdf

視機能が低下すると見え方に変化が現れます。上の画像のように、「ぼんやりする」「暗い」「かすむ」「視界が狭くなる」といった見えにくさを感じます。初期のうちは「なんとなく見えにくい」と感じる程度かもしれません。しかし、進行すると車の運転や仕事・家事などの日常生活に影響が出ます。さらに進行して視機能障害が高度になると、一人で外出することも難しくなります。

当てはまる症状がないか、チェックリストで確認してみましょう。

出典:日本眼科啓発会議 「アイフレイル啓発公式サイト」
出典:日本眼科啓発会議 「アイフレイル啓発公式サイト」
https://www.eye-frail.jp/checklist/

10項目のうち2つ以上該当する人はアイフレイルの可能性があります。アイフレイル啓発公式サイトではWeb上でチェックの数をカウントできるので、ぜひ試してみてください。
アイフレイルのチェックリストはこちらから >>

アイフレイルのチェックツール

アイフレイル啓発公式サイトでは、6種類のチェックツールが公開されています。気軽にセルフチェックができるので、早めの気づきや受診のきっかけづくりに役立ちます。ご自身の目の健康状態を確認するためにも、ぜひ試してみてください。
アイフレイルのチェックツールはこちらから >>

眼科での検査が有用

上で紹介したリストやツールはあくまでセルフチェックであり、診断ができるものではありません。気になる症状がある方は、眼科を受診しましょう。また、自覚症状がない場合も、目の病気を見つけるためには以下のような検査が有用です。

■視力検査
コンタクトレンズやメガネをしない状態で測定する裸眼視力検査と、レンズを使って矯正した状態で測定する矯正視力検査があります。矯正視力が悪い場合には、目の病気が疑われますので、より詳しい検査が必要です。

■眼底検査
外からは見えない眼底(網膜や視神経)を調べる検査です。眼底カメラなどの器械を使ったり、眼科医がレンズと光源を使って確認したりします。緑内障や糖尿病網膜症など、自覚が出にくい目の病気の発見につながります。

■眼圧検査
眼球の硬さ(眼圧)を測定する検査です。弱い風を目に当てることで測定できるので、痛みはありません。眼圧が高いと緑内障の疑いがあります。眼圧は1日の中で変化するので、測定時に正常範囲内であっても、ほかの検査と併せて総合的な診断が必要です。

■視野検査
検査器械の前に座って、真っすぐ前を見た状態で見える範囲を測定します。数分から20分くらいの時間がかかりますが、痛みやまぶしさなどはありません。視野が徐々に欠けてくる緑内障では、初期のうちは日常生活では気づかないことがよくあるので、視野検査が重要です。

<アイフレイルアドバイスドクター>
アイフレイルの診療・研究・啓発活動を行っている眼科医が全国にいます。アイフレイルのことで気になることがあればぜひご相談ください。
https://www.eye-frail.jp/advice-doctor-list/

アイフレイルの対策には眼科での検査が重要

アイフレイルの対策には眼科での検査が重要

眼科での定期検査は、アイフレイルの対策に重要です。眼科の先生からのコメントをご紹介します。


「目が疲れる」「目がしょぼしょぼする」「夕方になると見えにくくなる」、このような症状に心当たりはありませんか? 実は、これらの症状は改善できる可能性があります。そしてもっと大切なことは、これらが病気のサインかもしれないということです。これがアイフレイルです。

「私は何も感じていないから大丈夫」とお思いの方も、コラム内で紹介されている「アイフレイルチェック」を活用して、時々はご自身の大切な目の状態を見つめ直してみてください。普段見逃しがちな目のトラブルを発見するきっかけになります。

私たちは普段、目が見えることを当然のこととして生活しています。しかし、もし見えなくなってしまったら、生活に大きな影響を与えることは言うまでもありません。アイフレイルを感じたら、ぜひ眼科医にご相談ください。適切な対応により、目の症状を改善し、アイフレイルの背景に隠れている病気を早期発見できるでしょう。目の健康を守り、いつまでも楽しく充実した毎日を送りましょう。


加藤圭一先生

加藤圭一先生
かとう眼科医院(宮城県) 院長
日本眼科医会 副会長として、またアイフレイル啓発の母体である日本眼科啓発会議のメンバーとして活動している。

まとめ

アイフレイルの対策としては、自覚症状がなくても定期的に眼科で検査を受けることが重要です。目の病気を早期に発見し、初期の段階で適切な対策や治療を行って、悪化を防ぎましょう。

アイフレイルの症状が出始める40歳前後は、ちょうどスマホやゲームによるお子さんの視力低下を気にされる方も多い時期です。お子さんの検診で眼科を訪れる際には、ご自身の検診も併せて受けてみてください。

また、コンタクトレンズユーザーはそもそも眼科の定期的な受診が必要です。アイフレイルの相談と併せて、コンタクトレンズの状態もチェックしてもらいましょう。

コンタクト健康診断へ行こう! >>

手元の見えにくさを感じ始めている方には、遠近両用コンタクトレンズがおすすめです。『まだ早いかな』と思っている方も、気がついていないだけで、はじめどきかもしれません。眼科で一度試してみてはいかがでしょうか。

<関連サイト>
日本コンタクトレンズ協会「遠近両用コンタクトレンズという選択!」 >>

コラム監修:加藤圭一先生

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