公開日:2025年9月1日
コンタクトレンズのつけっぱなしは危険!? 眼病や失明のリスク、誤って寝たときの対処法を解説

「1時間程度なら…」と、コンタクトレンズをつけたまま昼寝をしていませんか?コンタクトレンズのつけっぱなしには、さまざまなリスクがあります。コンタクトレンズのつけっぱなしの注意点や、トラブルの対処法・回避法を紹介します。
コンタクトレンズには終日装用タイプと連続装用タイプがある

コンタクトレンズには、眼科医の指示のもとで一定の期間はつけっぱなしでいい「連続装用タイプ」と、朝につけたら夜寝る前にははずす「終日装用タイプ」があります。
使用するコンタクトレンズの種類にもよりますが、終日装用タイプの装用時間の目安は、慣れてきた場合でも標準的には12時間~14時間といわれています。ただし、極力つける時間は短いほうが目のトラブルを防げます。装用できる時間には個人差がありますので、眼科医の指示に従って使用しましょう。
装用時間を気にせず、快適なコンタクトレンズライフを送りたい方や、生活リズムが不規則な方には、連続装用タイプのコンタクトレンズがおすすめです。商品によってつけっぱなしにできる期間は異なり、たとえばハードコンタクトレンズの「メニコンZ」※1は最長1週間、同じくハードコンタクトレンズの「メニコンティニュー」※2は最長30日間の連続装用が可能です(いずれも眼科医の指示のもとで使用)。
※1 販売名:メニコンZ 承認番号:20700BZZ00739000
※2 販売名:メニコンティニュー 承認番号:21800BZZ10125000
ただし、涙の量やアレルギー体質などによって連続装用が難しい場合もあります。連続装用タイプは必ず眼科医の指示のもと、無理のない範囲で使用するようにしましょう。
終日装用タイプのコンタクトレンズのつけっぱなしはダメ

適切な時間を超えてコンタクトレンズをつけっぱなしにしていると、トラブルにつながることがあります。次のような不調を感じたら、早めに眼科医に相談しましょう。
目の乾燥・張り付き
つけっぱなしによって目が乾燥し、コンタクトレンズが張り付いてしまうことがあります。これは、まばたきの回数が減ったり、涙がコンタクトレンズの上に乗りにくくなったりすることで、涙が過剰に蒸発するためと考えられます。
特に寝ている間はまばたきをしないため、涙が目全体に行き渡らず、乾燥やコンタクトレンズの張り付きが起こりやすくなります。コンタクトレンズが張り付いてしまった場合は、無理にはずそうとすると目をキズつける恐れがあるため、絶対に力任せにははずさないでください。
目やに・かゆみ
コンタクトレンズをつけっぱなしにすることで、目やにやかゆみにつながる場合もあります。これは、コンタクトレンズに付着した汚れがアレルギー反応を引き起こし、目やにやかゆみを誘発するためと考えられます。
アレルギーのある方は、もともと目やにが多く出やすいため、汚れがコンタクトレンズに付着して蓄積しやすく、悪循環に陥ることがあります。なお、コンタクトレンズの装用によって引き起こされるものだけではなく、季節性のアレルギーなどの場合もあるため、気になる症状がある場合は眼科医に相談し、適切な対処を行うことが大切です。
目の痛み・充血・異物感
コンタクトレンズをつけっぱなしにすると、目の痛みや充血、異物感が生じることがあります。目も呼吸をしていて、酸素を必要としています。白目には血管が通っており、血液から酸素が届けられますが、血管のない黒目(角膜)は、涙を通して空気中の酸素を取り入れています。
しかし、コンタクトレンズを装用した状態では黒目が覆われ、裸眼のときよりも酸素が届きにくくなります。つけっぱなしが続くと、酸素不足を補おうとして白目の血管が拡張し、充血が起こることがあります。
また、酸素が不足すると、「角膜感染症」の原因にもなります。これは、酸素不足によって角膜のバリア機能が低下し、細菌が付着しやすくなるためです。角膜感染症は目の痛みや異物感、まぶたの腫れなどの症状を引き起こし、進行すると角膜が白く濁り視力が低下します。つけっぱなしを繰り返すと、角膜感染症が悪化し、最悪の場合は失明に至ることもあります。
さらに、角膜内皮細胞が減少する恐れもあります。角膜が白く濁り、視力が低下し、悪化すると水疱性角膜症となり失明するリスクがあります。また、角膜内皮細胞が少ないと、白内障などの手術が受けられないこともあります。角膜内皮細胞は一度失われると再生されません。
こうしたリスクを防ぐには、コンタクトレンズのつけっぱなしを避けることに加えて、酸素透過性の高いコンタクトレンズを選ぶことも有効です。目の健康を守るために、正しい装用と適切なコンタクトレンズ選びを心がけましょう。
コンタクトレンズのつけっぱなしに関するよくあるQ&A

コンタクトレンズのつけっぱなしに関する「よくある疑問」と、その答えをまとめました。
Q.コンタクトレンズをつけっぱなしで寝てしまってはずれなくなったときの対処法を教えてください
A.コンタクトレンズが張り付いてしまった場合は、無理にはずそうとせず、まずはコンタクトレンズをつけたまま使用できる、防腐剤を含まない人工涙液をさしてみてください。また、ゆっくりとまばたきをすることで、目やコンタクトレンズがうるおい、動きやすくなることもあります。コンタクトレンズが動くようになったら、ゆっくりと取りはずしましょう。
ハードコンタクトレンズの場合は、専用のスポイトを使ってはずす方法もあります。使い方の解説動画もありますので、ぜひご覧ください。
いずれにしても、無理に取りはずそうとすると角膜をキズつける恐れがあるため、取れない場合は早めに眼科を受診してください。
なお、コンタクトレンズの装用中に点眼しない方がいい目薬もあります。下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
Q.昼寝のときぐらいなら、コンタクトレンズをつけっぱなしでもいいですか?
A.1時間程度の昼寝でも、コンタクトレンズははずしましょう。眠っているとき(まぶたを閉じているとき)は、一時的な酸素不足によって角膜が厚みを増す「角膜肥厚」になります。
これは角膜の正常な生理現象であり、裸眼であれば数時間でもとに戻るものの、コンタクトレンズをつけていると回復が遅れてしまいます。特に酸素透過性の低いコンタクトレンズでは、角膜肥厚の度合いが高くなります(高酸素透過性のコンタクトレンズでは、裸眼のときとほぼ同程度)。
Q.風呂・サウナ・プールに入るときは、コンタクトレンズをつけっぱなしでもいいですか?
A.
[風呂・サウナでのご使用]
コンタクトレンズをつけたまま風呂に入ることは可能です。ただし、洗髪・洗顔時にシャンプーやせっけんなどが目に入らないようにしてください。
サウナでも装用はできますが、コンタクトレンズが乾燥してずれたり、はずれやすくなったりする可能性があるため、できればはずした方が安心です。サウナ用の熱に強いメガネも販売されていますので、試してみるのもおすすめです。
[プール・海でのご使用]
プールや海に入る時は、コンタクトレンズをはずしてください。泳いでいるときに、コンタクトレンズがはずれて紛失する可能性があります。またプールの消毒剤や雑菌などによる汚染、海水やプールの水がコンタクトレンズを変形させる可能性もあります。度付きゴーグルも販売されていますので上手に活用しましょう。度付きゴーグルについては下記のコラムでもご紹介しています。
Q.昼寝・風呂・プール中のつけっぱなしを避けるためにはずしたコンタクトレンズは再度つけてもいいですか?
A.2WEEKや1MONTHなどの定期交換タイプや長期使用タイプのコンタクトレンズであれば再度つけてかまいません。はずしたコンタクトレンズは、保存用のレンズケースに入れて、保存液に浸した状態で保管しておきましょう。1DAYタイプのコンタクトレンズは、一度はずしたら再度つけられません。新しいコンタクトレンズを使用しましょう。
まとめ
コンタクトレンズには、終日装用タイプと連続装用タイプの2種類があります。終日装用タイプは朝に装用し、夜寝る前には必ずはずす必要があります。終日装用タイプのつけっぱなしは、角膜感染症をはじめとするさまざまなトラブルのリスクを高めるため、避けましょう。一方、連続装用タイプは、眼科医の指示のもとであれば、就寝中も装用を継続できます。
コンタクトレンズは、眼科医の指示に従って正しく使うことが大切です。定期的に検査を受けながら、自分の目の状態や生活スタイルに合ったコンタクトレンズを選びましょう。
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