公開日:2025年9月1日
コンタクトレンズによるアレルギーの対処法は?原因・症状・対策まとめ

コンタクトレンズをつけて現れる目の不調の中には、アレルギーによる症状の場合もあります。アレルギーの代表的な例として花粉症がありますが、春のスギやヒノキだけでなく、秋のブタクサやヨモギの花粉に悩まされている方も多いのではないでしょうか。コンタクトレンズによるアレルギーは花粉のほかにどのような原因で発症するのか、具体的な症状や対策と一緒に紹介します。
コンタクトレンズによるアレルギーの原因

コンタクトレンズによるアレルギーの原因には、汚れもしくは目との相性の可能性が考えられます。それぞれ詳しくチェックしましょう。
コンタクトレンズに付着した汚れ(タンパク質・花粉・ハウスダスト・動物の毛など)
コンタクトレンズに付着した汚れが原因でアレルギーの症状が出る場合があります。
アレルギーは、異物が体に入った・ついたときに免疫が過剰に働くことです。汚れに炎症細胞が反応して症状が出ます。たとえばハウスダスト・花粉・動物の毛・タンパク質や脂質などの汚れがコンタクトレンズに付着して目に触れたとしましょう。汚れを異物と見なして免疫が働くのはいいものの、働き過ぎて不調につながる可能性があるのです。
またアレルギー体質の人は目やにが出やすいです。目やにが出る→コンタクトレンズにつく→残る・蓄積する→アレルギーを引き起こす→目やにが増える…という悪循環になっている可能性も考えられます。
そもそも目は、外にむき出しになっていて、角膜や、結膜という粘膜で表面が覆われているため、汚れがつきやすい器官です。免疫細胞や血管が多い結膜には、炎症細胞がどんどん届きます。そのため花粉による症状は、目に現れやすいのです(花粉のタンパク質が涙に溶けやすいのも影響しています)。
コンタクトレンズやケア用品が目に合っていない
コンタクトレンズやケア用品が目に合っていないために、アレルギーの症状が出る場合もあります。たとえば、カラーコンタクトレンズの場合、使用されている色素、素材、保存液などによって、かゆみ・充血・異物感などのアレルギー症状を引き起こす場合があります。
コンタクトレンズとアレルギーの関連性は一概には言えない
コンタクトレンズの装着時に限って、目の調子がよくないという場合でも、アレルギーとの関連性については、一概には言えないことが多くあります。
症状や対処法を以下で紹介していきますが、原因を特定して治すためには、眼科医への相談が必要です。
コンタクトレンズによるアレルギー症状

コンタクトレンズによって発症する可能性があるアレルギー症状として、下記のようなものが挙げられます。
目やに・かゆみ・まぶたの腫れ・充血・ゴロゴロ感など
目やに・かゆみ・まぶたの腫れ・充血・ゴロゴロ感などがまず挙げられます。ただし、アレルギー以外が原因でこれらの症状が出る場合もあります。ゴロゴロ感は、使い始めたばかりでコンタクトレンズに慣れていないだけかもしれません(数日~1週間程度で通常は慣れていきます。1〜2ヵ月も続く場合は眼科医に相談してください)。充血は、洗浄液のすすぎ不足(ハードコンタクトレンズの場合)・扱う手指の洗浄が不十分・コンタクトレンズの乾燥などが原因の場合もあります。
コンタクトレンズがくもる
花粉やハウスダストによるアレルギー性結膜炎に対し、免疫反応によって目やにが出ると、コンタクトレンズに付着して、くもりの原因になります。さらに、目やにがコンタクトレンズに蓄積すると、汚れとなりアレルギー症状が悪化する場合があります。
アレルギー性結膜炎・巨大乳頭結膜炎(コンタクトレンズがずれる)
アレルギー性の結膜炎の中でも、まぶたの裏側に大きなぶつぶつができる場合を巨大乳頭結膜炎と呼びます。コンタクトレンズに付着した汚れ、もしくはコンタクトレンズとまぶたがこすれることが原因です。まぶたが腫れてコンタクトレンズがずれやすくなって気がつく場合もありますが、初期は自覚症状がない場合があります。
コンタクトレンズによるアレルギー症状を抑える・和らげる方法

コンタクトレンズによるアレルギーの症状を抑える・和らげるための方法をまとめてみました。参考にしてみてください。
【アレルギーの抑え方】眼科を受診し、処方された薬を使う
アレルギー症状や炎症を抑えるなら、眼科での治療および処方された薬の点眼・服用が最適です。紹介したとおり、症状の原因と正しい治療法を決定するには眼科で検査を受けるのが一番です。たとえば花粉による症状だと思っていても、アトピー性結膜炎などほかの病気の場合もあります。自己判断はしないようにしましょう。
市販薬を使う場合も、眼科医・薬剤師・登録販売者に相談して選択するのがおすすめです。アレルギーによる症状はさまざまで、原因を特定せずに選ぶと、効果を得られなかったり、症状を悪化させたりしてしまう恐れがあるからです。症状を和らげるために、防腐剤が入っていない人工涙液を点眼する方法もありますが、アレルギーの症状そのものを治療できるわけではないため眼科で原因を特定してもらい、適切な治療を受けましょう。症状によってはコンタクトレンズの使用を控えたほうがいい場合もあります。
【和らげ方】コンタクトレンズを正しく使用する
コンタクトレンズを正しく使えば、アレルギーの症状が和らぐ場合もあります。コンタクトレンズに付着した汚れが原因として考えられるため、洗浄やすすぎを正しく行うところから見直してみてください。
それぞれのコンタクトレンズ種類に応じて定められた使用期限(未開封の状態で品質が保たれている期限)・使用期間(開封してから実際に使用できる期間)を守るのも重要です。決められた使用期間のない長期使用タイプも、使用状況などは個人差があるため、眼科医に相談しながら定期的な交換が必要です。
【和らげ方】1DAYタイプのコンタクトレンズに変える
1DAYタイプのコンタクトレンズに変えることで、アレルギーの症状が和らぐ可能性もあります。1DAYタイプは、毎日新しいコンタクトレンズに交換するため汚れが蓄積せず、アレルギー症状の悪化を防ぐことにつながります。
中でもメニコンには、「スマートタッチ」という目と接する内側の部分を指で触らずにレンズケースからつまみ出せる仕組みのコンタクトレンズがあります。手指についた汚れがコンタクトレンズの内側につかないため、アレルギーをある程度は防げる面があるといえます。
定期交換タイプを開封してすぐにアレルギーの症状が出てしまうと、装用せずにつけ置きだけして使用期間を過ぎてしまう場合があるかもしれません。1DAYタイプは、1日ごとに使い捨てで使用するため、症状が出て装用を一定期間止めておくときもコンタクトレンズが無駄にならずに安心です。
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【和らげ方】冷たいタオルで目を冷やす
かゆみなどが出た場合は、冷たいタオルで目を冷やすと一時的に症状が和らぐ場合があります。冷たいタオルをまぶたの上にのせてみましょう。
【和らげ方】コンタクトレンズの装着薬を使う
異物感やゴロゴロ感が気になる場合は、コンタクトレンズの装着薬を使うと不快感が和らぐかもしれません。異物感やゴロゴロ感がコンタクトレンズをつけた直後に現れる場合に特におすすめです。

【和らげ方】点眼型洗眼薬を使う
点眼型洗眼薬で目を洗う方法もあります。ただし製品によって、コンタクトレンズをつけたままでは使用できないもの(カラーコンタクトレンズなど)があるので注意してください。
なお目を洗うといっても、水道水や目薬で洗うのは避けましょう。水道水には塩素が含まれているため、角膜や結膜をキズつける恐れがあります(周りについた汚れなどを、目を閉じた状態で洗い流す程度であればかまいません)。目薬も、洗浄用で作られたものではないため、専用の洗眼薬を使いましょう。
まとめ
コンタクトレンズによるアレルギーの原因・症状・対処法について紹介しました。「治す」上で眼科での診療の大事さをお伝えしましたが、症状が出たときはコンタクトレンズの装用を止めることも重要です。
また症状の一つとして紹介したアレルギー性結膜炎は、手でこすると悪化します。コンタクトレンズを使うのがお子さんの場合、こすらないように親御さんから説明してあげてください。
さらにコンタクトレンズや目の調子は日々変わっていくため、眼科で定期的に検査してもらうようにしましょう。通常3ヵ月に1度が目安といわれる定期検診も、アレルギーがある人はよりこまめに受けることをおすすめします。アレルギーとうまく付き合って、症状に悩まされないようにしましょう。
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