近視が世界中で増加中。進行を抑制するコンタクトレンズも…? | コンタクトレンズのメニコン

近視が世界中で増加中。進行を抑制するコンタクトレンズも…?

近視が世界中で増加中。進行を抑制するコンタクトレンズも…?

“目が悪くなる”なかでも、遠くが見えづらい状態を「近視」と呼びます。メニコンの代表執行役会長 田中英成とフリーアナウンサーの川本えこさんによるMenicon Radioで、『近視進行の抑制について』と題して近視の紹介をした回がありました。近視の原因や進行を抑制するための方法について知れる内容なので、本コラムでもあらためて紹介します。

近視は世界的に増加中。日本の小学生34%が近視の疑いがあるとのデータも

近視は世界的に増加中。日本の小学生34%が近視の疑いがあるとのデータも

川本えこ(以下、川本)「近視の人は、増えているんでしょうか?」

田中会長(以下、田中)「日本にかぎらず、世界中の子どもたちの近視が進んでいるといわれています。とくに中国は、大学生の8割以上で近視が疑われている状況です。」

川本「“世界では人口の1/3が近視”との資料もありますが、日本でも多いのは同様なのでしょうか?」

田中「小・中学生は学校で視力検査を行いますが、視力が1.0なくメガネがないと学校での勉強に支障がでる子どもが増えていると文部科学省の調査結果などからもいわれています。長い歴史のなかでも、この傾向が明確になってきました。」

川本「資料によると、小学生で34%・中学生で57%・高校生で67%と増えてきているんですね。」

※「Global Prevalence of Myopia and High Myopia and Temporal Trends from 2000 through 2050」(Holden BA, Fricke TR, Wilson DA, et al.)

近視になる原因・近視が進行する原因の一例

近視になる原因・近視が進行する原因の一例

田中「成長とともに近視が少しずつ進むといわれています。近視になる理由には諸説あるんですが、成長して目が大きくなっていくとともに、“眼軸長”と呼ばれる目の長さが少し伸びるのが原因と考える学説があります。」

田中「幼児のころはピンポン玉のような形を目はしているのが、大人になると卵のような形になってきます。すると光が当たるピントの位置(光が収束する位置)がズレてくるのです。眼軸長が長くなると、ピントの当たる位置が前になります。そのため網膜に当たらず、手前にピントが当たって像がボケてしまうわけです。」

田中「そして近視が進む理由もいくつか学説があるんですが、たとえば目を酷使する生活が続いていることが挙げられます。たとえばパソコンや読書なども原因になりかねません。私たちが子どものころは、『勉強する子は目が悪くなる』といわれていました。目を酷使すると近視が進行する、つまり眼軸長が伸びやすくなると考えられているのです。」

近視が進行すると網膜剥離や失明に至る場合もある

近視が進行すると網膜剥離や失明に至る場合もある

川本「近視が進むと、どのような影響が出ると考えられますか?」

田中「近視の進行は大人になれば通常止まるといわれていました。ところが近年は、大人になっても近視の進行が止まらない人がいます。たとえば普通のメガネでは矯正できずに、分厚くて度数が非常に強いレンズのメガネを付けなければなりません。」

田中「ピントが合ってモノが見えればいいですが、あまりにも強い近視(強度近視・病的近視)になってしまうと、ひどい場合は網膜に穴が開いてしまって“網膜剥離”という病気を起こす場合があるんです。眼軸長が伸びるために、内側に張り付いている網膜も引き伸ばされて、部分的に裂けたり穴が開いたりするんです。失明する場合もあります。失明の原因として強度近視(病的近視)が世界中で挙げられているほどです。」

近視の進行を抑制するためのコンタクトレンズが開発されている

近視の進行を抑制するためのコンタクトレンズが開発されている

田中「先ほど話が挙がった中国では、近視の人の数が多いです。そのため医療費における近視治療の負担が大きい。中国では国家戦略として、近視進行を止めようとの指令も出ています。これが火付け役となり、中国ビジネスを成功させるために、世界中のメーカーが近視抑制を可能とするコンタクトレンズの開発に乗り出したわけです。もちろんメニコンでも開発をしています。海外では、近視進行を抑制するためのコンタクトレンズをすでにローンチしているんです。」

川本「近視は抑制できるものなんですね。」

田中「さまざまな学説があって、すべての人に100%応用できるわけではありませんが、特殊なレンズを使えば近視の進行をある一定のスピードに遅らせられるんです。そのままにしておくと非常に早いスピードで近視が進行するところを、そのレンズを利用して進行を少しでも遅らせられると、強度近視に至るまでの時間稼ぎができます。ある年齢までいくと近視の進行は止まるかもしれません。そうすると強度近視や失明になる可能性が低くなるかもしれない。この考えが中国で広まり、さらに世界中にも広まっています。いずれ日本にも、そのような概念が入ってくるでしょう。」

川本「それはコンタクトレンズですよね?どのようにして使うんですか?日中つけておけばいいんですか?」

田中「商品によってさまざまなのですが、夜寝ているときにそのコンタクトレンズを装着して寝ている間に黒目の形を少し変形させるんです。みなさん朝起きたときに髪の毛がくしゃくしゃになって変な寝癖がついていますよね。あれと同じ原理です。」

川本「へぇ〜。」

田中「朝起きたときにレンズを外すと、ちょうどピントが合った状態にコントロールできるんです。毎日のくり返しによって、近視の進行を遅らせられる可能性があります。その可能性がかなり高いと認められていて、海外においては近視進行抑制のコンタクトレンズが正式に認可されて、ビジネスが始まっている状況といえます。」

川本「なるほど。日本ではまだ認可が下りていない状況なんですよね?」

田中「そうですね、近視進行抑制という概念の認可がまだ日本にはないんです。」

近視進行を抑制するために

近視進行を抑制するために

川本「近視にならない・進行させないようにみなさんも気をつけていると思います。“遠くの方を見ろ”などとよく言われていますよね。」

田中「近視にならないようにするには、やはり目を酷使しないのが重要です。目を酷使すると、ピントを合わせるために目がさまざまな筋肉を使います。筋肉を使うことによって、逆に眼軸長が伸びる傾向があるわけです。しかも私たち日本人は、元々農耕民族でした。農耕民族には手元を見るのが有利な遺伝子が入っているはずなのです。そのため近視の人でも手元が見やすいんですよ。中国も同様ですが、農耕民族に近い国ほど、基本的には近視の割合が国民のなかで高いと考えられます。」

川本「近視の進行を抑制するために、した方がいいと勧められる生活習慣はありますか?」

田中「子どものときは外で遊ぶ。明るいところで本を読む。これが一番いいと思います。手元を見続けると、目の負荷につながります。スマホを見続けるのもすごい負担です。テレビゲームも画面から近い距離でやっているのはよくないですし、左右に動き回るキャラクターを追いかけまわすとなると目は疲れます。」

川本「遊ぶときには外がやっぱりいいんですか?」

田中「太陽光に含まれるある紫色の光を浴びると近視の進行が抑制されるとの研究があるんです。そのため中国の学校では外で勉強する時間を増やしているといいます。教室も太陽光が入るように作られているんです。」

川本「コロナも心配ですが、密にならないようにみなさんも太陽の光をあびながら遊びたいですね。」

まとめ

世界中で近視の人が増えていると紹介いたしました。
近視にならないようにするには、「目を酷使しない」ことがポイントです。
デジタルデバイス等を利用する際も、こまめに遠くを見る等して目を労わることを心がけましょう。

今回ご紹介したMeniconRadioはこちらからご視聴いただけます。

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