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近くや遠くを見るとき、目は「毛様体筋」という筋肉で、「水晶体」の厚みを変えてピントを調節しています。
自動的にピントが合う、カメラのオートフォーカス機能と同様に、人間の目も、見るものとの距離によって脳が判断し、自動的に焦点が変わります。
ところが、年齢とともに、毛様体筋の筋力と水晶体の弾力は低下。
すると、水晶体の厚さを変えることが難しくなり、ピントが合いづらく、近くの物が見づらくなってしまうのです。20代と40代では、水晶体の調節力の違いから、近点距離(手元が良く見える距離)にも違いが生じます。 20歳の頃は10cmの距離でも見えていた文字が、45歳を過ぎると30cm以上離さないと見づらくなります。
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34歳から69歳までの男女813名に、「近くが見えづらい」と感じ始めた年齢を調査しました。
※対象 34歳~69歳までの男女813名 2019年8月メニコン調べ
ピントを合わせる力(調節力)のピークは、なんと10歳!
その後は、年齢とともに調節力は弱くなっていきます。
早い方は30代、一般的に40代から徐々に近くが見づらくなります。年齢とともに、ピントが合う距離はどんどん遠ざかっていきます。40歳で20cm、45歳で30cm、50歳になれば40cmと、ピントを合わせるために、だんだん長い距離が必要となっていきます。
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手元を見るときに、無理をしてピントを合わせようとすると、副交感神経が刺激され、血流の低下につながります。
その結果、目には疲労物質がたまり、肩の筋肉の温度も低下。肩こりや眼精疲労につながることがあります。
「以前よりも目が疲れやすくなった。」また、「食事中に何気なくメガネを外している。」などの経験がある方は、コンタクトレンズやメガネの調整が必要になっているかもしれません。近視の方は、もともとピントが手前に合っているため、裸眼では手元が見えています。
それでも年齢を重ねると、徐々に近点距離(手元がよく見える距離)は遠ざかっていきます。
症状が現れるのが緩やかなだけで、年齢とともに次第に手元が見づらくなるのは変わりません。監修:梶田眼科院長 梶田 雅義