子どもに見え方で不便をさせたくない。
でも幼い頃からのコンタクトレンズの使用は
本当に大丈夫なのか。
大切な瞳だからこそ、さまざまな不安も生じるものです。
普段なかなか聞くことのできない
子どものコンタクトレンズへの疑問を眼科医が解決します。
安心・納得してコンタクトレンズをスタートできるよう、
アドバイスします。
教えてくれたのは
平岡孝浩先生
コンタクトレンズの出し入れ(装着・脱着)が自分でできるようになれば、小学生でも使用できます。
運動やクラブ活動などスポーツの競技によって、メガネの使用が好ましくない場合は、コンタクトレンズを検討するべきだと考えています。それがたとえ、小学生であっても、本人にやる気があり練習さえしっかり行えば低学年でも問題なく使用可能です。
コンタクトレンズの使用開始にあたって最終的には、診察する眼科医の判断に従ってください。
スポーツをする際に、メガネからコンタクトレンズに
変更をしたのはいつですか?
1日使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズがおすすめです。そのほかにもさまざまな種類がありますが、洗浄・消毒・保存・すすぎなどの毎日のケアが必要なので、慣れていない場合、レンズを破損したり、洗浄が不十分であるために眼合併症を招いたりする可能性もあるのです。
コンタクトレンズの取り扱いに慣れてくれば、2週間定期交換タイプや1ヵ月定期交換タイプに変更しても構わないと思います。
使っているコンタクトレンズの種類は?
スポーツパフォーマンス向上には寄与すると考えますが、コンタクトレンズを使えば視力低下がおさまるわけではありません。特に、成長期には眼球も大きくなるため、焦点が前方に移動しやすく近視が進みます。これを完全に抑制する方法は存在しないのです。
重要なことは、メガネでもコンタクトレンズでも、度数があっているかを定期的にチェックすることです。
また、コンタクトレンズやメガネ以外にも、オルソケラトロジー※という視力矯正方法もあります。硬い素材で作られた特殊な形状のハードコンタクトレンズを寝ている間に装着すると、角膜の中央部分が扁平化して近視が軽減します。1〜2週間ほど続けると、昼間は裸眼でも十分な視力が得られるようになるのです。
※強い近視の方や乱視が強い方には、十分な矯正効果が得られない可能性もあります。遠視の方は使用できません。
スポーツをする際に、コンタクトレンズにしたことで
子どもの様子はどう変わった?※メニコン調べ n=540
コンタクトレンズの使用は、購入後も定期的な診療を受けられ、目の健康を担保できることが不可欠です。そのため、眼科専門医に毎回診察してもらえるお近くの眼科で購入することをおすすめします。
インターネットで購入される場合は、自己判断ではなく、別途眼科を受診し、医師が目の健康を定期的にチェックした上で購入しましょう。
コンタクトレンズを購入している場所は?
3ヵ月に1回は眼科で診察を受けてください。
特に、子どものうちは、レンズの度数が変化やすいので、定期的に度数を確認する必要があります。度数が合っていないレンズを使用していると近視が進みやすくなったり、疲れやすくなったりします。
また、角膜に傷がついて、結膜炎を起こしている場合でも自分では気づかないことが多々あります。このような状態でコンタクトレンズを使用し続けていると、大変重い合併症が生じ、場合によっては失明することもあります。定期受診ができない場合は、コンタクトレンズを使用してはいけないのです。
眼科定期検査頻度はどのくらいですか?
子どもだけでなく、大人にも言えることですが、適切な装着時間や毎日のレンズケアを順守して、眼科での定期検診を怠らないことが大切です。特に子どもは、衛生状態の判断が不得手なため、清潔な操作を十分に理解してから使用しましょう。
親御さんは、しっかり見守り、間違った使い方をしている場合は、適宜指摘してあげることが重要です。最初に正しい使い方を刷り込むことは、眼科の医師やスタッフの努力だけでは達成できません。毎日一緒に生活する親御さんの協力があってこそ、安心で快適なコンタクトレンズライフが実現できると思います。
コンタクトレンズを使いはじめてから、
使用を中止した期間がありますか?
教えてくれたのは
まきし眼科 院長
新屋雄二先生
そうですね。
患者様からの要望により処方しています。
新学期を迎える4月や、その直前の春休み期間になると、クラブ活動などで新たにスポーツを始める小学生が保護者の方と一緒に来院し、コンタクトレンズの処方を希望するケースが多く見られます。学校健診で視力低下が判明し、来院されることはありますが、コンタクトレンズをスタートするのは春先が多いですね。小さな子どもの場合は、本人が希望するというよりも、スポーツを始める前に保護者の勧めで来院される場合が多いです。
地域性もありますが、当院では少年野球やバスケットボールなどが多いです。
球技系のスポーツはボールがメガネにあたると破損の危険性があることや、走るなど激しい運動の時にはメガネが邪魔になることが多いため、コンタクトレンズを希望されるケースが多いです。
眼科医はコンタクトレンズを勧める立場ではなく許可する立場なので、まずは眼にコンタクトレンズが装用できない疾患がないかなど診察をします。
その上で、コンタクトレンズの自己管理ができるかが重要です。
自己管理とは主に、装着が自分でできるかどうか、洗浄・消毒がきちんとできるか、トラブル発生した時にすぐにコンタクトレンズを外して対応する判断が自分でできるか、ということです。保護者の方とも面談し、お子さまの様子や性格などから処方の可否を判断します。年齢が高い子でも保護者の方がお子さまの性格上自己管理が難しいと判断され、処方の中止を申し出されることもあります。
自己管理をできるかが一番のポイントなので、ケアが不要な1DAYタイプになることが多いですね。
また、どういったシチュエーションでコンタクトレンズをしたいのかも詳しくヒアリングします。例えば「スポーツの時にメガネが邪魔だからコンタクトにしたい」と希望される方には、「スポーツの時だけコンタクトにして、日常生活の時はメガネにしましょう」と伝えることもあります。
小学生だから、中高生だからといった特別な違いはなく、やはり「自分で管理ができるか」が重要です。きちんと管理することができれば、小学生でも中高生でも関係はありません。
ただし、中高生は徐々に視力が安定していきますが、小学生の場合は近視が進行しやすい傾向にあるため、度数調整をする頻度は高くなることが多いです。ですから、定期検査を受けることが重要です。
定期検査の頻度は3ヵ月に1度が基本。これは中高生になっても変わりません。
最近はダンスやおしゃれ目的でコンタクトレンズをスタートするケースも増えていますが、そう言った方は感覚的には、ディスカウントショップやインターネットでコンタクトレンズを購入していることが多いようです。
ディスカウントショップやインターネットでコンタクトレンズを購入している場合は、保護者や眼科医が関与していないケースが多く、管理の仕方をきちんと眼科で習っていないため、コンタクトレンズをつけたまま寝たり、1DAYタイプを洗って何日も使うなど、ルーズな使い方によって眼のトラブルを起こしてから初めて来院するケースが多いですね。
コンタクトレンズは高度管理医療機器であり眼科医の管理下のもとで正しく使うことを理解して使用することが大切です。
通常のコンタクトレンズより、リスクが高くなることを保護者に十分お話した上で、最終選択は保護者と本人に委ねています。こちらから「ダメ」ということはありません。
小学生だからといってトラブルが起きやすい、などということはありません。
年齢ではなく、正しく管理ができているかどうかが重要なので、決められたルールを逸脱した使用をすれば、年齢に関係なくトラブルの原因になります。
教えてくれたのは
こんの眼科 院長
今野泰宏先生
小学生とはいえ、今の時代は生活が多様化しています。
ここは浦和という土地なので、浦和レッズユースから、生え抜きでプロサッカー選手を目指す子も多く、その子たちはプロになるという夢をもち、最高のパフォーマンスを身につけるために、コンタクトレンズを使用しています。
コンタクトレンズは目のためではなく、生き方のために使用するものだと思っています。サッカーだけでなく水泳やゴルフなども同じで、何を目指すか・どこまで目指すか、お子さまとしっかり話ながら決めていただければと思います。
小学生でも安全にコンタクトレンズを使うことが出来れば、使用しても良いと思っています。
ただ、子どもは目に異常を感じても自分からSOSを発信しない傾向があります。大人であれば眼科で診てもらおうと思うくらいの傷でも、子どもは「こんなものか…」と自分で判断してしまうケースがあります。
そのため、正しいコンタクトレンズの使用方法を説明し、きちんと定期検査に行くことの重要性をお伝えしたいと思っています。
子どもが近視の場合には、親御さんもコンタクトレンズをしている場合が圧倒的に多いです。そういう意味では、コンタクトレンズ経験者として子どもをサポートしてあげてほしいと思います。ただ、親御さん自身が決められた使用期間を守らず、間違った使い方をしていたり、眼科の検査を受けずに購入していたりする場合、そのまま誤った使用法を子どもに伝えてしまうと、コンタクトレンズでの眼障害を引き起こしやすくなります。
良い機会ですので、いま一度コンタクトレンズの正しい使い方に立ち戻っていただきたいです。
装着する前はきちんと手を洗うなど、子どもに良い習慣がつくまではしっかりとサポートしてもらいたいなと思います。
1DAYタイプのコンタクトレンズをおすすめしています。最初はコンタクトレンズに慣れていないため、眼障害のリスクを少しでも少なくすることがその理由です。メニコンの商品で「スマートタッチ」という裏表を間違えない機能がついたコンタクトレンズがありますが、導入期においては特におすすめです。内側に触れることがないので、清潔に使っていただくことができますし、コンタクトレンズに慣れると少し適当な取り扱いになってしまうケースもあるので、継続する上でもスマートタッチ機能がついている商品は良いと思います。
今のコンタクトレンズは性能がとても良くなっていますので、毎日使用しても問題ないと考えています。1DAYタイプだと、その日の予定に合わせて眼鏡の日を作ることもできます。
また、コンタクトレンズを使用する日でも、目の健康を考えて「帰宅したら早めに外す」という習慣を身につけてください。
教えてくれたのは
東邦大学医療センター大森病院眼科/
いしづち眼科
鈴木崇先生
アレルギー性結膜炎は、手でこすることで悪くなるので、子どもがコンタクトレンズを装用した場合なりやすい傾向があります。そのため、正しい装着方法をしっかり守ってほしいです。
また頻回交換型では、レンズケアを怠るとアレルギー性結膜炎や感染性角膜炎などの目の病気になることがあります。
コンタクトレンズとまぶたがこすれることで起きる巨大乳頭炎というアレルギー性結膜炎の仲間では、自覚症状がない場合があります。また、まぶたが腫れるので、コンタクトレンズがずれやすくなります。
症状や所見がない時には、コンタクトレンズは使えます。ただ、花粉症など季節性のアレルギー性結膜炎を生じる場合は、前もって抗アレルギー薬の目薬をしておくことで、症状が出ない状況でコンタクトレンズを使える場合があります。また、レンズケアもしっかりしておけば、アレルギーの症状も出にくいです。
モノを立体的に見るには、左右の視力のバランスが大切ですが、コンタクトレンズのほうが、眼鏡よりも左右差が出にくく違和感なく使用できます。
目の観察をして、充血や目の傷がないか調べたり、目の度数を調べて、最もいいコンタクトレンズの度数を提案します。
また、定期検診では網膜の傷や角膜の傷、異常な乱視などの眼の異常を早期発見できる場合もあります。
見えにくくなったり、何日も続く痛みや充血などの自覚症状が出てきたりした場合は眼科に行った方がいいです。
はい。心配な場合は、眼科や病院でおっしゃっていただければ、つけ外しの練習をお手伝いします。
お子さまのコンタクトデビューは、
眼科医とまずご相談ください。
メニコンのコンタクトレンズ取扱店では、
コンタクトレンズについて
豊富な知識を持つスタッフがそろい、
眼科医の指示のもと
お客様のお悩み・ご要望にお応えしています。
購入前でも分からないこと、不安なことは
お気軽にお尋ねください。
安心・納得のお子さまのコンタクトレンズライフを、
メニコンは応援しています。