オルソケラトロジーとは、就寝時に特殊なデザインのハードコンタクトレンズを装用することで角膜前面を平坦化させ、屈折矯正効果を得て近視を矯正する治療法です。
メニコンでは日本コンタクトレンズ学会の「オルソケラトロジーガイドライン」に基づき、各施設様へ「メニコンオルソK」をご提供させていただいております。
今回はオルソケラトロジー導入を検討されている皆さまに向けて、既に導入されている施設様へのインタビュー結果を交え、オルソケラトロジー導入のはじめの一歩となる情報をまとめました。
「2050年には世界人口の約50%が近視になり、強度近視に至っては10%を占める」とWHOが予測しています。
文部科学省の「学校保健統計調査」(令和3年7月28日発表分)を見ると、日本では中学生・高校生の50%以上が裸眼視力1.0未満であることが分かります。
近視を矯正する方法の1つに、就寝中に特殊なデザインのハードコンタクトレンズを装用して角膜形状を変化させ、近視を矯正するオルソケラトロジーがあります(以下「オルソ」)。
オルソは自由診療であり日本では「近視進行抑制効果」は認められていませんが、エビデンスが着実に積み上げられており、その効果への期待が高まっています。
しかし、患者様からの問合せが増える一方でオルソに取り組む施設様はまだ少数派であり、行き場に困っている方々がいるという実態があります。
そこで、実際にオルソに取り組まれている施設様にオルソを始めた理由などを聞いてみました。
オルソを始めた理由について、既にオルソを導入された施設様に伺ってみました。
最も多かった回答は「近視進行への関心・対策」でしたが、それ以外にも以下のようなご回答をいただきました。
実際にご自身の家族にオルソを試してその効果を確信し、本格的に取り組むようになったという先生は少なくないようです。
一方、オルソ導入を検討されている施設様の中には「子供にうまく使ってもらえるだろうか?」といった不安を抱えていらっしゃる施設様も少なくありません。
実際の現場ではトライアルレンズを入れてもらうのに一苦労し、時には泣き出してしまうお子さんもいます。
「目を閉じていればそんなに痛くないよ。大丈夫、一緒にがんばろう」と保護者の方と共に声をかけてあげると泣き止んでくれて、その後の検査も上手くいくことが多いようです。
オルソの導入を決めかねている施設様から、よくこのご質問をいただきます。
ご質問に対する回答としては「できないことはない」ということになりますが、何だかモヤモヤした感じですので、もう少しご説明しましょう。
一般的なコンタクトレンズの場合は、トライアルレンズを装着したらその場でフィッティングを確認し、OKかNGかの判断に1日以上かかるケースはほぼありません。
しかし、オルソの場合は院内でのフィッティングは確認できても、就寝中のフィッティングを確認することができません。
そこで角膜形状の変化を角膜トポグラフィー(以下「トポ」)で経過的に追うことによって、使用レンズが適正かどうかを判断していきます。
つまりオルソでは「トポがなくても処方自体はできるが、長期的視点で経過を追って、より精度の高い診断をするためにトポは必要」ということになります。
オルソ黎明期はすでに明けています。
2017年にはガイドラインが改訂、そして2022年3月現在、学会講習会や各メーカー講習会、各種セミナー、メーカーのフォロー等も充実し、情報量も格段に増大しています。
これらは問題解決の糸口となってくれますが、オルソに限らず医療サービスにおいて最大の原動力となるのは、やはり患者様の喜びではないでしょうか?
今回インタビューをさせていただいたある先生は「小学6年生の男児で、性格はおとなしく無口で心配もした。しかし、オルソを始めてからきちんと視力が出るようになって以降、よく喋るようになり、性格が明るく変わった。それによって彼の人生が変わったかも知れない」と、子供の人生をも変える力がオルソにはある、との思いを吐露されていました。
今回のコラムでは既にオルソケラトロジーを導入されている施設様のインタビューを基に、導入前に知っておきたい情報をまとめました。
メニコンアカデミーでは、導入を検討されている施設様に対するご支援を行っております。
導入にあたるお問い合わせにつきましては、弊社営業担当者、もしくはお問い合わせフォームよりご連絡ください。
オルソケラトロジーについて詳しくはこちらをご覧ください。