コンタクトレンズの洗浄液は、どう選ぶ？　Q&A・選び方・使い方を確認！

コンタクトレンズ洗浄液とは？

洗浄液はケア商品のひとつで、文字通り装用後のコンタクトレンズの洗浄に使う液体です。
まずは、洗浄液の主な役割と種類を確認しておきましょう。

コンタクトレンズ洗浄液の役割

洗浄液は、下記のような役割を果たしています。

・目から出る分泌物などの汚れを落とす
・細菌の繁殖を防ぐ
・コンタクトレンズの乾燥を予防する
・形状や装用感を保つ

コンタクトレンズ洗浄液(ケア用品)の種類

洗浄や保存それぞれに特化したものだけでなく、洗浄やすすぎに加えて消毒や保存の役割を兼ねる多機能な液剤もメジャーになってきました。また成分による種類分けもあります。種類として代表的なものを確認してみましょう。

■ ソフトコンタクトレンズ用の洗浄液(ケア用品)

・MPS：洗浄・すすぎ・消毒・保存の1本で行える液剤です。「Multi-Purpose Solution（マルチパーパスソリューション）」の頭文字を取って「MPS」と記されています。
・過酸化水素タイプ：消毒に特化し、高い消毒効果が期待できます。消毒後には過酸化水素の中和が必要です。しかし、長期の保存ができない点には注意が必要です。
・ポビドンヨード系タイプ：主成分がヨウ素で、オレンジ色をしているのが特徴です。過酸化水素タイプと同じく、消毒に特化したタイプで、消毒後には中和する必要があります。中和後には無色透明に変わります。

■ ハードコンタクトレンズ用の洗浄液(ケア用品)

・洗浄保存液タイプ：名前の通り洗浄と保存を両方行える洗浄液です。タンパク質汚れの処理が別途必要になります。
・酵素入り洗浄保存液タイプ：液体酵素が配合されており、コンタクトレンズの保存中にタンパク質汚れを分解除去できる洗浄液です。

コンタクトレンズ洗浄液にまつわるQ&A

洗浄液の正しい使用、つまり正しいケアが安全なコンタクトレンズライフにつながります。
しかし、コンタクトレンズを長く使っているうちに自己流で間違ったケアをしている人がいるかもしれません。洗浄液に関する代表的な疑問を以下にまとめました。

Q1.眼科医におすすめされたコンタクトレンズ洗浄液を使うのがいい理由は？

A.ユーザーの目の健康状態や使用状況にもとづき、眼科医は適切な洗浄液を指示しています。洗浄液とコンタクトレンズの組み合わせが好ましくないと、目に刺激が生じるなどのトラブルのリスクが発生するのです。付属の説明書もよく読み、適切に使用しましょう。

Q2.レンズ保存用のコンタクトレンズ洗浄液は毎回交換する？（交換頻度は？)

A.保存消毒液（および保存消毒にも使えるコンタクトレンズ洗浄液）は毎回交換しましょう。もったいないからと、使用済みの保存消毒液につぎ足して使ってはいけません。
消毒効果があるものでも、使用済みの消毒液はコンタクトレンズに微生物が付着している可能性のある場合に「バイオフィルム」と呼ばれる微生物による膜が形成されやすくなります。消毒効果低下の懸念がありますので、つぎ足しは行わないでください。

Q3.長期保存する場合、コンタクトレンズ保存液（洗浄保存液）は交換した方がいい？（何日ぐらい漬けていい？）

A.コンタクトレンズを装用せず長期保存をする場合でも、洗浄保存液は定期的な交換が必要です。
1週間に1度くらいの頻度を目安に保存消毒液を交換するとよいでしょう。また長期保存をしたコンタクトレンズを再び装用する前には、眼科医の受診をおすすめします。

Q4.コンタクトレンズ洗浄液がないときに水で代用してもいい？

A.コンタクトレンズの洗浄や保存に水を代用してはいけません。
水道水は滅菌されていないため、水中のアカントアメーバや微生物が付着して感染症につながりかねないのです。
また、ハードコンタクトレンズは洗浄やすすぎで水道水も使用できる（※保存は保存液)のに対して、ソフトコンタクトレンズは水道水が原因で変形・変色する可能性があります。両者の違いを理解して使用しましょう。

Q5.安いときに購入し、日が経ったコンタクトレンズ洗浄液でも問題ない？

A.洗浄液の外箱やボトルには使用期限が記載されています。未開封の場合、使用期限内であれば日が経った洗浄液でも基本的には問題ありません。
ただし直射日光に当たった状態や湿度が高い状態で保存していた場合は成分が変質している可能性があります。
洗浄液を正しく保存できているかも、製品の取扱説明書で確認するとよいでしょう。また使用期限について取扱説明書に記載がない場合でも、開封後1～2ヵ月を目安に使い切るようにしてください。

コンタクトレンズ洗浄液の使い方（正しいケア方法）

洗浄液は、商品によって使用方法が異なります。使用する商品の取扱説明書をよく読んで使用するのが重要です。また洗浄液の代表的な使い方を以下にまとめました。参考にして適切なケアを心がけましょう。

ソフトコンタクトレンズの場合

すでに紹介したとおり、「MPS」「過酸化水素タイプ」「ポビドンヨード系タイプ」と、ソフトコンタクトレンズの洗浄液(ケア用液剤)には種類があります。それぞれの一般的な使い方を以下で確認しましょう。

■ MPSの使い方

（1）手のひらにコンタクトレンズを置きMPSを滴下します。コンタクトレンズの表と裏を傷つけないようにやさしくこすり洗いをしましょう。
（2）洗浄したコンタクトレンズをMPSですすぎ、ケースにしまいます。
（3）コンタクトレンズの全体がMPSで浸かるような状態で保存してください。

■ 過酸化水素タイプの使い方

（1）コンタクトレンズを専用ケースに入れてください。
（2）洗浄液を専用ケースに注ぎ、中和剤も入れましょう。ケースに中和剤や中和ディスクがセットされているものもあります。
（3）取扱説明書で指示された時間放置して、過酸化水素を中和しましょう。
（4）保存後にコンタクトレンズを装用する際に、商品によっては専用液ですすぐ必要があります。

■ ポビドンヨード系タイプの使い方

（1）コンタクトレンズを専用ケースに入れてください。
（2）「消毒・中和剤」と「溶解・すすぎ液」を専用ケースに入れます。
（3）専用ケースのふたを閉め、取扱説明書で指示されたとおりの時間以上を目安に、オレンジ色の液が無色に変わるまで放置します。
（4）専用のすすぎ液でコンタクトレンズをすすいでから装用してください。

ハードコンタクトレンズの場合

ハードコンタクトレンズの洗浄方法は「こすり洗い」と「つけおき洗浄」が一般的です。それぞれの特徴を以下で紹介します。

■ こすり洗い

（1）コンタクトレンズを水道水か専用の液ですすぎます。
（2）清潔な手にコンタクトレンズを置き、レンズに洗浄液を十分につけます。
（3）人さし指・中指・親指の３本の指の腹でやさしくこすり洗いをします。
（4）水道水か専用の液でぬめりが無くなるまですすぎます。
（5）レンズケースに保存液を入れて、ふたを閉めます。
（6）保存液から取り出してコンタクトレンズを装用するときは、同じ手順でこすり洗いとすすぎを再度行います。

■ つけおき洗浄

（1）保存液で満たしたレンズケースに、指定された量の液体酵素を入れてください。数時間放置して汚れを分解します。
（2）コンタクトレンズを装用するときは、こすり洗いを行った後、水道水か専用の液でよくすすいでからにしましょう。

※つけ置きとこすり洗いを併用するケア方法について動画で確認する場合はこちらから※

まとめ

眼科や販売店で最初に指定された洗浄液およびコンタクトレンズを使用していても、汚れや使用感が気になる人がいるかもしれません。正しく使用していても、目の状態が変わっている可能性はあります。眼科医に相談して、新しい商品や違った商品を試してみるのもいいでしょう。

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