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2018年5月

イヌ緑内障遺伝子検査を開始
~(株)VEQTAへ検査を委託~

学校法人麻布獣医学園 麻布大学と株式会社メニコンが共同保有する特許「イヌの緑内障を診断する方法及びキット」(特許番号6053681号)の独占実施権を株式会社VEQTA(本社所在地:愛媛県新居浜市)へ許諾し、同社によるイヌ緑内障遺伝子検査を開始することとなりましたのでご案内申し上げます。

緑内障は眼球内の圧力(眼圧)が上昇して視覚障害をもたらす疾患で、犬種依存性の高い眼科疾患のひとつです。罹患率の高い犬種として、シバイヌ、シーズー、アメリカンコッカースパニエル、ミニチュアダックス、ビーグルなどが知られていますが、中でもシバイヌが症例数第1位、シーズーが第2位で、合わせて全犬種の約半数に相当します。また、眼科疾患で来院するシバイヌの43%は緑内障に罹患しているとの報告もあります。※1 このように犬種依存性の高い疾患は一般的に遺伝性疾患と考えられますが、緑内障についてもシバイヌ及びシーズーの感受性遺伝子としてSRBD1が麻布大学と公立大学法人横浜市立大学とメニコンの共同研究で2013年に発見されています。※2

この度、このSRBD1遺伝子の解析に基づく遺伝子検査を(株)VEQTAへ委託することになりました。この遺伝子検査でリスクホモ(アフェクテッド)と判定された個体はノンリスクホモ(クリア)の約3~10倍緑内障になりやすいとの判定が可能となります。
遺伝子検査を希望する場合、口腔粘膜を採取し、(株)VEQTAへ送付することにより、約2週間で解析結果が郵送されます。緑内障発症リスクが高いと判定された場合は、定期的な動物病院への来院を勧めることで、なるべく発症リスクを低くするための指導が可能となります。また、株式会社メニワンが製造・販売の目の健康増進用サプリメントをご紹介することも可能です。

(株)VEQTAでは、シバイヌ、シーズーの緑内障リスクを高い精度で予測できる遺伝子検査を2018年5月から開始予定で、同社では、その他、コリー眼、PRAなど眼科疾患遺伝子検査も実施中です。

※1 印牧信行、麻布大学眼科に来院した緑内障症例の随伴症の分類、日本獣医師会雑誌68(1) P55-58 2015
※2 Kanemaki N. et al, Dogs and Human Share a Common Susceptibilty Gene SRBD1 for Glaucoma Risk, PLOS ONE 8(9), e74372, 2013