コンタクトレンズ総合メーカー メニコン

沿革

創業者名誉会長の紹介

眼鏡店「玉水屋」で働いていたメニコン創業者田中恭一が、アメリカ軍将校夫人から「コンタクトレンズ」の話を聞かされたのが1950年。

その後、恭一はコンタクトレンズの研究に没頭し、1951年、日本で初めて角膜コンタクトレンズの開発に成功、第一線を退いた後も、社員に向け示唆に富んだアドバイスを続けた。

2024年3月10日に永眠。

田中恭一は、1931(昭和6)年7月8日、竹彫作家、田中華山(嘉尚)と妻はるの次男として、愛知県木曽川町(現一宮市)に生を受けました。この年は満州事変が勃発した年で、軍靴の響き高まりつつある時代でした。恭一も国民学校高等科になると、特殊潜航艇のスクリューを作る工場での学徒動員に駆り出されます。

体格がよく父親譲りの器用さも持ち合わせていたため、通常はやらせてもらえない旋盤の操作方法をみっちりと教えてもらったことが、後にコンタクトレンズの製造に大いに役立つことになりました。

学徒動員で教わったのと同型の旋盤 学徒動員で教わったのと同型の旋盤
(ヤマザキマザック株式会社所蔵)

終戦翌年、父に連れられるまま名古屋市内の老舗眼鏡店「メガネの玉水屋」で仕方なく始めた丁稚奉公でしたが、持ち前の器用さと好奇心旺盛な性格からメキメキと技術が上達し、進駐軍の病院の専属ライセンスを与えられるまでになりました。そんな1950(昭和25)年11月、恭一のその後の人生を決定づけた運命的な出会いがありました。

玉水屋の常連だったある米軍将校のご夫人が、「私、コンタクトレンズを持っているのよ」と言ったのです。恭一は業界誌でその存在を知ってはいましたが、写真や実物を見たことはありませんでしたので、反射的に手を出して、ぜひ見せてくださいとお願いしました。何度も懇願したのですが、その将校夫人はハンドバッグをしっかりと押さえたまま、結局見せてくれることはありませんでした。

玉水屋時代の田中恭一と将校夫人 玉水屋時代の田中恭一と将校夫人

アメリカ人に作れて日本人につくれないはずはない、何が何でも自分で作ってやる! 恭一の闘争心に火が付いた瞬間でした。その後、取り憑かれたように恭一の頭から「コンタクトレンズ」が離れなくなりました。どんな形をしているのだろう、材料は何だろう、どのようにして目の中に入れるのだろう、目に入れて痛くないのだろうか、次から次へと疑問が湧いてきました。

研究ノートの一部 研究ノートの一部

恭一は自分の目、家族の目を観察することから始め、メガネのフレームに使われていたアクリル樹脂を黒目ほどの大きさに丸く削り、お椀のようなレンズらしきものができるとベンガラで磨き、自分の目に入れてみる、という試みを繰り返しました。そしてプラスチック製角膜コンタクトレンズのプロトタイプを完成したのは、わずか三カ月後の1951(昭和26)年2月8日のことでした。当時一部の眼科医の間では強角膜レンズという直径の大きなタイプが研究されていたのですが、恭一はそんなことは知る由もなく、全くの独創で現在のハードコンタクトレンズとほぼ同じ形状のものにたどり着き、実用化に成功したのでした。"知らなかったからこそできた"というこの経験から、「人真似をしない」ことが、その後の恭一の人生の指針となります。

MTコンタクトレンズ(製品化第一号) MTコンタクトレンズ(製品化第一号)

これ以降も恭一は、素材の配合や重合方法、製品のデザインや製造方法の設計、製造設備の組み立てなどすべて全くの独学で研究し、1957(昭和32)年7月、現在のメニコンの前身である日本コンタクトレンズ株式会社を設立しました。それ以来コンタクトレンズとそのケア用品のパイオニア企業として、素材開発からデザイン開発、製造、物流、営業、そしてエンドユーザーへの販売に至るまで、全工程で独自の安全性へのこだわりを強化し、つねに技術の向上、品質管理体制の整備に努め、業界をリードしてまいりました。この何事にも挑戦し続ける精神や創造性、独創性など、創業以来着実に培われた「メニコンらしさ」のDNAは、「より良い視力の提供を通じて、広く社会に貢献する」という経営理念の下、現在も脈々と受け継がれております。

装用感をチェックする恭一 装用感をチェックする恭一

ゼロからの挑戦 1950〜1969

1951年(昭和26年) 日本で初めて角膜コンタクトレンズの実用化に成功
1952年(昭和27年) 日本コンタクトレンズ研究所創設
1953年(昭和28年) 「M.T.コンタクトレンズ」の商品名で角膜コンタクトレンズを発売(商品化第一号)
1957年(昭和32年) 日本コンタクトレンズ株式会社設立
1958年(昭和33年) 「K.T.コンタクトレンズ」発売
1965年(昭和40年) 東洋コンタクトレンズ株式会社に社名変更
1967年(昭和42年) 「メニコン」商標登録

  • メニコン本社

さらなる独創へ 1970〜1989

1970年(昭和45年) 「メニコン8」発売
1973年(昭和48年) 「メニコンソフト」発売
1975年(昭和50年) 眼内レンズ完成
1977年(昭和52年) メニコンヨーロッパ(フランス)設立
創業25周年記念国際研究発表会開催
「メニコンO2」発表
1979年(昭和54年) 「メニコンO2」発売
「メニコンO2ケア」発売
1981年(昭和56年) 「プロージェント」発売
1982年(昭和57年) 創業30周年記念国際研究発表会開催
1984年(昭和59年) 関工場新設
1985年(昭和60年) 眼内レンズ、国内初の製造承認
1986年(昭和61年) 「メニコンEX」発売
1987年(昭和62年) 東洋コンタクトレンズ株式会社と株式会社メニコンが合併、新生株式会社メニコン発足
「メニコンO2-32」発売
メニコンドイツ設立
1988年(昭和63年) 「メニコンソフトMA」発売

  • メニコンS.A.S.

  • メニコン関工場

  • メニコンドイツ

品質の極みへ 1990〜1999

1991年(平成3年) 「メニコンスーパーEX」発売
創業40周年記念国際シンポジウム開催
「メニコンスーパーコンサート」協賛開始
1992年(平成4年) 「メニコンソフト72」発売
メニコンファーマ(フランス)設立
1993年(平成5年) メニコンファーマ製造工場新設
1994年(平成6年) 社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)とオフィシャルサプライ契約締結
旧毎日ビルにメニコンギャラリー「Menio」開設
「メニコンソフトS」発売
着色眼内レンズ「メニコンシングルピースNV」発売
1995年(平成7年) 新本社ビル新設
「メニコンカップ<日本クラブユースサッカー東西対抗戦(U-15)>」に特別協賛開始
総合研究所新設
1996年(平成8年) アメリカ・MIT(マサチューセッツ工科大学)にメニコン教授席設置
ル・マン24時間レース、鈴鹿1,000Kmレースに挑むチーム メニコンサード誕生
「ISO 9001」、「CEマーク」取得
メニコンホームページ開設
1997年(平成9年) 「メニコンZ」発売
イヌ用眼内レンズ「メニわんレンズ」発売
眼内レンズ「メニフレックス」発売
1998年(平成10年) 眼科医療用医薬品発売
1999年(平成11年) 「白内障の盲導犬に光を!」事業開始

  • メニコンファーマ

  • メニコン総合研究所

革新は世界へ 2000〜2009

2000年(平成12年) コンタクトレンズ誕生の地プレート設置(玉水屋)
「メニフォーカルZ」発売
「メニフォーカルソフトS」発売
田中英成、代表取締役社長就任
2001年(平成13年) メニコンエスパーニャ設立(スペイン)
メニコンアメリカ設立(アメリカ)
定額制会員制システム「メルスプラン」スタート
創業50周年記念国際シンポジウム開催
2002年(平成14年) メニコンテクノステーション新設
「マンスウエア」発売「メニコンO2ケアネオ」発売
「メニわん治療用コンタクトレンズ」発売
2003年(平成15年) 株式会社メニワン設立
メニコンホールディングスヨーロッパ設立(フランス)
2004年(平成16年) 「プロテオフ」発売
メニコンUK設立(イギリス)
2005年(平成17年) 「エピカヒートシステム」発売
「メニコン1DAY」発売
「メニコンO2ケア ミルファ フレッシュ」発売
「マンスウエア トーリック」発売
「エピカクリア」発売
「プライバシーマーク」取得
2006年(平成18年) 「エピカコールド」発売
NKL(オランダ)株式取得
フォールダブル眼内レンズ「アバンシィ」発売
2007年(平成19年) 「メニコンティニュー」発売
2008年(平成20年) 「2WEEKメニコン プレミオ」発売
「メニコンセレスト」発売
2009年(平成21年) 「エピカコールドアクアモア」発売
「2WEEKメニコン プレミオ トーリック」発売
「2WEEKメニコン デュオ」発売
ディビッド・トーマスコンタクトレンズ(イギリス)株式取得

  • メニコンテクノステーション

  • メニコンSAS

  • シンガポール工場

  • メニコンアメリカ

地球企業への誓い 2010〜2020

2010年(平成22年) ㈱トーメー株式取得、㈱メニコンネクトに社名変更
経営体制を委員会設置会社に移行
メニコンチャイナ設立
2011年(平成23年) シンガポール工場新設
「2WEEKメニコン遠近両用」発売
創業60周年記念式典開催
「Magic」発売
メニコンホールディングスヨーロッパがメニコンSAS(フランス)に社名変更
ダルマオプティカ(スペイン)設立
フランスLTC(処方家・一般ユーザー向け小売店)株式取得
2012年(平成24年) ㈱ダブリュ・アイ・システム株式取得
「2WEEKメニコン Attention」発売
「ギャラリーMenio」、「HITOMIホール」開設
「抗菌O2ケア ミルファ」発売
2013年(平成25年) 「O2ケア アミノソラ」発売
定額制コンタクト「メルスプラン」会員数100万人突破
メニコンコンタクトレンズスクール開校
歌劇「あしたの瞳~もうひとつの未来」初演
Menicon Pty. Ltd.の株式取得し、メニコンオーストラリア設立
メニコンシンガポールセールス(シンガポール)設立
2014年(平成26年) オランダ工場新設
「2WEEKメニコン Rei」発売
メニコンビジネスパーク新設
メニコンコリア(韓国)設立
2015年(平成27年) 各務原工場新設
東京証券取引所一部・名古屋証券取引所一部に株式上場
「2WEEKメニコン Rei トーリック」発売
メニコンコンタクトレンズスクール福岡校開校
富士コンタクト㈱株式取得
「2WEEKメニコン プレミオ 遠近両用」発売
2016年(平成28年) ㈱アルファコーポレーション株式取得
㈱エーアイピー株式取得
定款に「禁煙運動推進事業」を追加
創業65周年記念式典開催
「1DAYメニコン プレミオ」発売
2017年(平成29年) 「メニコンローズK」発売
働き方改革「スマートクリエーション」始動
2018年(平成30年) メニコンフランス創立40周年及び新社屋『TOKI』新設
「1DAYメニコン プレミオ トーリック」発売
「フォーシーズン」発売
「2WEEKメニコン プレミオ 遠近両用トーリック」発売
2019年(平成31年)
(令和元年)
定額制コンタクト「メルスプラン」会員数130万人突破
「メニコンオルソK」発売
メニコングループ販売店 共通ブランドを「Miru」に統一
「Menicon Bloom Night」CEマーク認証取得
SOLEKO(イタリア)株式取得
獣医師向け犬の眼科診察サポートサービス「Fundus AI」開始
「フォーシーズン バイフォーカル」発売
「Menicon Z Night」米国FDA承認取得
「Magic 90枚入り」発売
2020年(令和2年) 犬用眼内レンズ「メニワンX(テン)」発売
「Magic Toric」発売
温州欣視界科技有限公司(中国)株式取得
「1DAY FRUTTIE」発売
㈱ハマノコンタクト株式取得
各務原工場 増床工事完了


新しい「みる」を世界に 2021〜未来へ

2021年(令和3年) 板橋貿易㈱株式取得
創業70周年
「めにサプリ ビルベリー+M(プラスエム)」発売
すべての犬の幸せを目指す新サービス「&D(アンド・ディー)」スタート
「めにサプリ プラセンタ」発売
コンタクトレンズ ウェブ注文システム「Click Miru」開始
2022年(令和4年) 「1DAY メニコン プレミオ マルチフォーカル」発売
「Miruオンライン相談サービス」導入
「クロスシー」、「クロスシーバイフォーカル」発売
終生飼養や一時預かりが可能な犬のための新施設&HAUSオープン
オルソケラトロジーレンズ『Menicon Z Night』中国において医療機器承認取得
2023年(令和5年) 「2WEEK メニコン Rei マルチフォーカル」発売
代表執行役2名体制へ移行
「メニコン シアターAoiビル」オープン
Miruの定額制サービス「Miru 3C PLAN」スタート
「エピカ スマートクリーン」発売
阿迩发(无锡)新設


  • オランダ工場

  • 東京証券取引所

  • 各務原工場

  • フランス現地法人
    新社屋「TOKI」

  • 増床後の各務原工場

関連情報